第22夜 Biblioteca de Babel

シナモンの甘さとスパイスに惹かれて…

f:id:happyinkdays:20210321203508j:plain

 

DATA

Name:Biblioteca de Babel(バベルの図書館)
Brand:Fueguia1833
Lauched in 2010
Perfumer:Julian Bedel
30ml ¥18,700

 

My Episode

フエギア1833は、2015年に日本初上陸したアルゼンチンの香水ブランド。
上陸した時はニッチ中のニッチフレグランスだったけど、今や香水好きだったら知らない人はいなくくらい有名になった。
ぼくが一番最初にフエギアの香水を試したのは、日本初上陸のその日だった。オープニングのパーティに行く機会にも恵まれ、そこで調香師であるジュリアンにも会うことができたし、数々の香水を試すこともできた。
とにかく、その時の衝撃は今でも忘れることができない。
香水というと、どうしても最初は「こういう感じの香り」とか「ウードのような重めの香り」というような香りの中身の話から入りがちなのだが、フエギアはとにかく世界観がまったく異なる。
確かに「ウード系の香り」とか「シナモンが入っていて」という香料に関する話は出てくるが、それがメインではない。フエギアの香水のメインとなるのは、そのコンセプトだったりストーリーだったりするのだ。
それは香水の名前にも表れている。
例えば、今日ご紹介する「Biblioteca de Babel(バベルの図書館)」は、ジュリアンが敬愛する南米の偉大なる詩人でもあり、作家でもあるホルヘ・ルイス・ボルヘスの詩のタイトルでもある。
この香りのどこがどう「バベルの図書館」なのかは、おそらく調香師であるジュリアンしかわからないだろうし、説明することはできないかもしれない。
でも、本や本棚、インクの香りなどを表現していることは何となく想像できる。
そして、この「バベルの図書館」はぼくが真っ先に数あるフエギアの香水の中から選んだ香水であり、ひと鼻惚れした香りでもある。これはゆるぎなかった。これはきっとこれからの自分の人生になくてはならない香りになるだろうという予感もした。
その後、この香水は様々な形態でリリースされるし、エディション違いも年ごとに出るのだが、ぼくはできるだけそういった香りも手に入れようと思っている。それぐらい気に入った香りだし、フエギアにとってもこの香水から始まったというから、やはりフエギアを代表する香りといっても良いと思う。

 

NOTES

Tonic note: Austrocedrus
Dominant note: Cabreuva
Sub Dominant: Cinnamon

フエギアは、他の香水ブランドとは少しNOTEの解釈が違っている。香りが層になっているというよりも核となる香りがあり、それを他の香りが包んでいるという解釈だろうか。
そして、多くの香料が明かされていなくて、必要最小限の情報しか開示されていないのもフエギアの香水の特徴といえるだろう。
さて、「バベルの図書館」の一番のメインはやはりシナモンの香りだろう。もともとぼくはシナモンをそのまま体に振りかけたいくらい好きなのだが、そのシナモンがしっかりと感じられる。しかも、それだけではなく、木の温もりもして、そこがこの香りの面白さと言えるだろう。

 

My Evalution

★★★★★