第35夜 Oud Shamash

甘さからのレザリー、香りの迷宮?

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DATA

Name: Oud Shamash
Brand:The Different Company
Launched in 2011
Perfumer:Bertrand Duchaufour

My Episode

ぼくの大好きな調香師であるジャン・クロード・エレナの娘のセリーヌ・エレナもまた調香師で、この父娘が立ち上げたのがThe Different Companyというブランドだ。
このブランドが日本に上陸したのは確か2014年前後だったと思う。
その初上陸の際、限定で登場したのが、香水界の異端児と呼ばれているベルトラン・ドショフールが手掛けた4種類の香水だ。
ぼくはこれらの香りを阪急メンズ館の1階の香水売り場で試したのだが、さすが、ベルトランだけあり、どれも非常に個性的で魅惑的。
しかし、お値段が確か他の通常ラインよりもお高かったので、4種類をいっぺんに揃えるわけにもいかず、少しずつ集めていこうと思い、一本だけを選んだ。
それが「Aurore Nomado」という香水だった。
ベルトランが手掛けた4種類のうち、2つがウード系で、あとはウードとはまったく関係のない香りで、その「Aurore Nomado」は、ウッディ系ではあるけれども、ウードは入っていない香りだった。
でも、なんでこの時、ぼくがウードを選ばなかったかというと、限定とはいえ、そのうち手に入れることができるだろうと後回しにしたからなのだった。
今から思えば、そんなことを思わずに、きちんとウード系から揃えておけば良かっと後悔している。
ただ、今はとても便利な世の中で、調べてみたら、日本のフリマ系サイトでこの香りが出ていたので、ぼくは遅ればせながら、ウード系2本をやっと手に入れることができたのだ。
今日ご紹介する「Oud Shamash」がそのうちの一本だ。
今これを纏ってみると、当時なぜぼくがこの香りではなく、別の香りを選んだのか、よくわかる気がする。
「Oud Shamash」はすごく難解な香りなのだ。確かにウードはちゃんと感じられるし、甘い感じもするのだけれども、それがすぐにレザリーに変化して、なかなかとらえどころがない香りなのだ。
きっと、発売当時はぼくもまだこんなにウードが好きになるとは思わなかったので、ついついベルトランがラルチザンで手掛けた「アルード」と比較してしまって、それに比べると感動が少なく、お迎えに至らなかったのかもしれない。
そう思うと、時を経て、いろいろなウードを試した後にこれを手に入れることができたというのは、タイミング的に良かったということなのではないかと思っている。

NOTES

Top notes: Rum, Saffron, Pink Pepper, Cinnamon, Davana
Middle notes: Cypriol Oil or Nagarmotha, Rose
Base notes: Agarwood (Oud), Tolu Balsam, Patchouli, Amber, French labdanum, Woody Notes, Sandalwood, Leather, Vanille, Musk, Ambergris

肌に載せたとたん、甘い香りが広がるのだが、数分たたないうちに、すぐにそれが消えて今度はレザリーな香りが顔をのぞかせる。その後も甘さをバックに控えたレザーという感じの面白い構成で、そこがこの「Oud Shamash」の面白さなのではないかと思う。

My Evalution

★★★★