第37夜 Vanille Absolument

苦み走ったバニラの香り

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DATA

Name: Vanille Absolument(ヴァニーユアブソリュマン)
Brand:L'Artisan Parfumeur
Launched in 2009
Perfumer:Bertrand Duchaufour

My Episode

香水のことをあまり詳しくなかった頃、好きな香りのひとつにバニラというのがあった。当時は甘い香りは自分にぴったりだと思っていて、バニラ系の香りは結構気に入っていて、例えばボディショップのバニラのソープなどは積極的に使っていたような気がする。
しかし、このベルトランの「バニーユアブソリュマン」を知ってからは、単なる甘いだけのバニラの香りでは物足りなくなってしまった。
それほどまでにこの香りは強烈だった。
元々は「ハバナバニーユ(Havana Vanille)」という名前だったことからもわかるように、葉巻のようなスモーキーさが特徴的なのだ。
つまり、甘いだけじゃないってこと。
とにかく苦いのだ。さらにそこにスモーキーさが加わる。
もう、これは大人にしかわからない香りかもしれない。
お子ちゃまには刺激が強いからおよしなさい…と言いたくなるほどの大人っぽい香りだし、ちょっと危険な、あるいは怪しげな雰囲気も漂っている。
バニラの香りというのは、甘い香りなので、夏につけると、ともすると悪酔いしちゃいがち。
しかし、この「バニーユアブソリュマン」は、なんてったってハバナバニーユなわけだから、夏の暑さにもぴったり合うのだ。
この香りが廃盤になってしまったのは本当に残念。
ただ、トムフォードのタバコバニラが辛うじてこの香りの系統を汲んでいるので、今はその香りを代用している。(もちろん、似て非なるものではなるのだけれども)

NOTES

Top notes: Vanilla, Dried Fruits, Clove
Middle notes: Tonka Bean, Immortelle, Licorice, Narcissus
Base notes: Rum, Tobacco, Resin, Woody Notes, Leather, Musk

スモーキーなのはタバコの香りだとわかるが、この苦さはどこから来るのだろうと思ったのだが、調香を見てわかった。この苦さの主なものはクローブ。そして甘苦くしているのがドライフルーツやリコリスだろう。ラムの香りは大人っぽさを演出するのには欠かせない。レザーやムスクなど、シックでアダルトな要素もしっかりと感じられるバニラというのはなかなかない。

My Evalution

★★★★