第41夜 Tralala

 大人の女性に憧れる少女の甘さを感じる香り

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DATA

Name: Tralala (ティラララ)
Brand:Penhaligon's
Launched in 2014
Perfumer:Bertrand Duchaufour


My Episode

ベルトラン・ドショフールは、主にラルチザンパフュームで調香をしているのだが、同時期にイギリスのブランド、ペンハリガンでもいくつかの香水を作っている。
フランスのラルチザンパフュームとイギリスのペンハリガンというのはそれぞれベクトルは正反対なものの、ストーリー性とか、面白さという点ではいくつかの共通点があるような気がする。
ただ、英国御用達のペンハリガンはぼくには少しお堅く感じるところがある。ペンハリガンはもともと理髪師だったウィリアム・ヘンリー・ペンハリガンが1870年に設立したブランドなのだが、そのイメージのせいか、ぼくはいつもペンハリガンの香水をかぐたびに「理髪師がいる」と思ってしまうのだ。
つまり、非常に優等生的。
カチッとした香りが多い気がする。
表面上はとても生真面目で、律義。伝統を重んじ、保守的。そんなイメージ。自由奔放で、好き勝手に遊んでいるようなラルチザンパフュームとは大違い。
だから、ベルトランがそのどちらでも香水を作っているというのが、ある意味ちょっとびっくりなのである。
さて、そんなベルトランが作ったこちらのティラララは、まずパッケージが可愛い。
これは、実はロンドン発のブランド「MEADHAM KIRCHHOFF(ミーダム・カーチョフ)」とのコラボ香水なのである。
ぼくはこのブランドのことはまったく知らないのだが、フェミニンでゴシックな雰囲気のある世界観で知られているとのこと。
だから、ボトルも他のペンハリガンにはない奇抜なものになっているのだ。
さて、肝心の香りはというと、これがまた少し変わっている。
甘いフローラルな香りがメインなのだが、ウッディな雰囲気も持っていて、フェミニンというよりも、むしろちょっと背伸びをしたグラマラス感もある。
ただ、限定ということもあり買ったものの、今これを改めてかいでみると、果たしてこれを自分使いこなせるのか、はなはだ疑問になってくる。


NOTES

Top note: Whiskey, Violet, Saffron, Aldehydes
Middle notes: Leather, Incense, Carnation, Tuberose
Base notes: Vanilla, Musk, Patchouli, Vetiver

トップの少しとろっとした甘さはウィスキーの甘さ。アルデヒドというのは、アルコールから水素を除いたもので、炭素が8個を超えたものから芳香を発する。その個数が偶数か奇数かによって香りの方向性は変わるのだが、14個以上になるとフルーティーな香りになるのだとか。ティラララはフルーティーな香りなので、おそらく14個以上の炭素を持つアルデヒドなのだろう。

My Evalution

★★

ベルトランだからすべてが良いのかというと、そういうわけでもない、ということが良くわかる。やはり、ぼくはこういう甘くてフェミニンなのは、どうしても苦手なんだなぁ。この香水を手に入れた頃は、新鮮ということもあり使っていたけれども、今は出番が少ない香水のひとつだし、久々にかいでも、やっぱりこれから使いこなす自信が持てない香りでもある。