第49夜 As Sawira

深みの極みを求めて

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DATA

Name: As Sawira(アッサウィラ)
Brand:Penhaligon's
Launched in 2015
Perfumer:Christian Provenzano


My Episode

2015年にペンハリガンからトレードルートコレクションとして、「ロタール」、「エンプレッサ」、「ラヴァンティウム」という3種類の香水が発売された。
その時、実はもう一本だけ伊勢丹限定で発売された香りがある。
それがこの「アッサウィラ」だ。
確かお値段も他の香水よりも1万円ほどお高かった気がする。
でも、当時のぼくは、とにかく刺激のある香りに飢えていたので、この香りがどうしても気になって仕方がなかった。
すでにトレードルートコレクションは他のところで試していたので、この「アッサウィラ」を試すためだけに伊勢丹に行った。
実は、しかし、その時の記憶がまったくない。
スタッフとどんな会話をしたのか、どういう感想だったのか、どんな経緯で買うことになったのか。だいたい何となくそういうことというのは、(特に気に入った香りならなおさら)覚えているものなのだが、この香りに関してはそのあたりのエピソードがすっぽりと抜けているのだ。
しかし、この香りがペンハリガンの中で今のところ一番好きだということは確かである。それぐらい気に入ったので、多少高くてもお迎えもしたし、限定なので、実はもう一本購入し、大切に保管もしてあるのだ。(劣化しないように封を開けずにしまってあるけど)
とにかくぼくが好きなのはこういう香りなのだ、という代表格のような香水である。恐らく日本では一般的ではないだろう。どちらかというと苦手という人の方が多いかもしれない。
なぜかというと、ウードの独特の香りがかなり強いから。昨日ご紹介した「ラヴァンティウム」もウードがメインの香水だし、どちらもスパイシーという点も共通しているのだが、ベクトルが違う気がする。
「ラヴァンティウム」は刺激が外に向かっている感じ。一方「アッサウィラ」はもっと内面を深く掘り下げる感じなのだ。
とにかく「アッサウィラ」は深さが他のどれとも違う。それでいてスパイシーなのである。これぞまさしくぼくの好きな香り。
最近、今まであまり行ったことのないようなブランドのお店に行く機会が多いのだが、初対面のスタッフに必ず伝えるのが「とにかく一番深い香りが好き」ということだ。
その深さの一例としてウードとパチョリを挙げているのだが、この「アッサウィラ」はそのぼくの好きな要件を見事に満たしているのだ。
そして、「ラヴァンティウム」もそうだけど、ペンハリガンにありがちな理髪店っぽい香りが感じられない。整髪料の香りがあまりしないというのもぼくにはたまらないのである。
そして、これもまた最近すごく気になっているクリスチャン・プロヴェンザーノ。彼は他のブランドでも様々なウードを手掛けていて、有名なところでは日本未発売だけどバイキリアンの「パールウード」も彼が調香しているのである。
これから彼のウードは少しずつコレクションしていきたいなぁと思っている。

NOTES

Top note: Saffron, Bergamot
Middle notes: Rose, Carnation, Jasmine
Base notes: Agarwood (Oud), Myrhh, Woodsy Notes, Amber, Labdanum
香りの内容としては、「ラヴァンティウム」と共通している点がたくさんある。
比較のため、ラヴァンティウムの内容は下記の通り。

Top note: Saffron, Wormwood, Artemisia, Bergamot
Middle notes: Rose, Cloves, Cardamom, Jasmine, Violet, Ylang-Ylang, Peach
Base notes: Agarwood (Oud), Patchouli, Guaiac Wood, Sandalwood, Amber, Myrrh, Cedar, Musk, Vanilla

香料として共通しているのが、トップのサフランベルガモット、ミドルのローズ、ジャスミン、ベースのウード、ミルラ、アンバーだ。

アッサウィラの方が香料の数は少ないのだが、その分、きっと一つ一つの香料の量が多かったり、深みが増すのはその数の少なさが要因だったりするのかもしれない。

ただ、あくまでもこれは公式に発表された香りの構成ではなく、FRAGRANTICAに掲載されているものなので、あくまでも推測でしかないのだが。

My Evalution

★★★★★

昨日に引き続き、今日の香りも★5つ。自分の求めている香りに出会うと、本当に嬉しいし、大げさでもなんでもなく、生きていて良かった!と思えるのだ。だから香水探しはやめられない。