第66夜 500 Years

甘辛ローズとウードの華やかなる共演

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DATA

Name: 500 Years (ファイブハンドレッドイヤーズ|ローズが刻むわたしの軌跡)
Brand: Etat Libre d'Orange
Launched in 2019
Perfumer:Cecile Matton
100ml ¥30,800

My Episode

ノーズショップは昨年初めてお店を訪れて、すっかりはまってしまったニッチフレグランスをメインで扱う香水店だ。
都内では、池袋、新宿、渋谷、銀座の4店があるが、他にも横浜や大阪などにも店舗があり、香水マニアの鼻をくすぐるお店としてマニアの間ではすっかり聖地となりつつあるように思える。
店舗によって扱う香水が違うというのもノーズショップの面白いところで、ぼくの場合は、主に銀座や新宿店で取り扱われている香水の中に好みのものが多い気がする。
今日ご紹介するETAT LIBRE D'ORANGE(エタリーブルドオランジェ)
の500YEARSもそんな香りのひとつだ。
この香りのことは、昨年の夏ぐらいから知ってはいた。呪文のように「ウード、ウード」とつぶやきながらお店を徘徊するぼくに、店員さんが勧めてくれた香りの中にこれが入っていたから。
かなり気に入っている香りではあるんだけど、ずっと躊躇していた。
というのも、ゴージャスなボトルから想像できるように、お値段もゴージャスだったから。
庶民であるぼくにとって、香水の価格というのは非常に大切で、それなりの基準がある。
例えば1万円以下の香水だったら「もし失敗しても、まぁ、勉強代だと思えば良いかな」とあきらめられるレベルで、この価格帯でお気に入りの香水だったらかなり優秀な香水。
1万円代の香水となると、ほんの少しだけハードルが上がる。ただ、まだ失敗しても軽症で済む程度だ。ネットで香りの中身を確かめずに購入して失敗したとしても、1万円代だったら仕方ないかなとなんとか諦めがつく。
2万円を超える香水になると、また少し心構えが変わってくる。香りを試す時も慎重になるし、気軽に「いただくわ」という気持ちになれない。
そして3万円を超える香水に関しては、よっぽどでないと即日決定はできない。この価格帯の香水で即日お迎えしたくなるというのは、よっぽど気に入った香りか、あるいは気の迷いか、ぼくの場合はそのどちらかだ。
そして、この「500years」に関しては、即日決定はできない香りのラインになり、ウードだからと言って、すぐにはお迎えすることができなかった。
さて、この香りには「ローズが刻むわたしの軌跡」という副題が付けられているのだが、そこがぼくには少しネックだったのかもしれないと自分の鼻腔を分析してみる。
つまり、ローズが前面に出ているのだ。
ウードとローズの相性はとても良くて、良くこの組み合わせの香りは見かけるのだが、この香りはウードよりもローズの方が主張が強い。
ただ、ぼくを惹きつけるのは、そのローズがフェミニンなローズではなく、非常にスパイシーなローズだから。
ぼくは何度もこの香りを売り場で試して、そして、今年に入って、ようやくお迎えすることを決意したのだった。

写真を見てもお分かりのように、ボトルもかなり凝っていて、さらにボックスも官能開きのように箱を開けるタイプで、なかなかユニークな作りになっていた。

香りも華やかな雰囲気がするので、パーティーなんかにつけていくのも良いかもしれない。間違ってもビジネスシーンではつけない方が無難なレベルのゴージャスさだ。

そのゴージャスさをどこまで許容できるか、がこの香りを選ぶ際のポイントになるだろう。

NOTES

Top notes: Bergamot, Cardamom, Saffron
Middle notes: Turkish Rose, Agarwood (Oud), Geranium
Base note: Amber, Patchouli, Suede

香りの構成を見ても、この香りがスパイシーであることは容易に想像がつくだろう。夜寝る前にこの香りを纏って寝ると、良く朝、肌の上にほんのりとスパイシーでスモーキーな香りが残る。ローズはかすかに感じられるだけ。
ただ、気候や湿度によって、ローズがもっと強く出てくることもあるかもしれないので、ローズ好きは良いかもしれない。ぼくはウードが出て欲しいタイプだから、この香りはつけるタイミングをもう少し見極めなくてはならないかもしれない。今はまだこの香りとの付き合いは浅いので、これからの季節をもう少しこの香りとともに過ごしてから色々と感じていけたらと思っている。

My Evalution

★★★