第67夜 Nouveau Monde

カカオとウードの不思議な融合

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DATA

Name: Nouveau Monde (ヌーボー・モンド)
Brand: Louis Vuitton
Launched in 2018
Perfumer: Jacques Cavallier
100ml ¥38,500

My Episode

ルイ・ヴィトンのウードを初めて試したのは、昨年の夏のこと。
いくつかのウード系の香水の中で、もっとも濃くて重い香りを選び、その「オンブル・ノマド」は2020年にぼくがお迎えした香水の中でもベスト5に入るほど気に入った。
中東限定として発売された「オンブル・ノマド」は、ルイ・ヴィトンの中でも他の香水と比較してお値段も少しお高めのラインなのだが、他にも通常のラインにウード系の香水があると聞き、ウードを巡る旅をしているぼくにとっては、嬉しいやら、悲しい(また散財しちゃうじゃん!という…)複雑な気持ちになる。
もちろん、期間限定というわけではないし、多分まだ当分どのウード系の香水もあるだろうから(日本では爆発的に売れるというものでもないだろうし)、少しずつ集めていけば良いかなと思っていた。
そんな矢先、担当してくれた、ルイ・ヴィトンの香水のことだったらなんでもお任せ、というダンディなエキスパートのムッシューから新作の香水の案内をいただいた。
その香り自体は実はあまりぼくは興味がないのだが、せっかくメールをいただいたのだから、ご挨拶がてら表参道店に行ってみようと思い立ったのが1月のこと。
まずは、新作の香水から試させていただき、それはそれでとても良い香りだった(と思う…。でもごめんなさい、あまり良く覚えていない…汗)けれども、やはりぼくが気になるのは、ウード系の香り。
ということで、二度目のルイ・ヴィトン表参道店訪問の時も、片っ端からウード系の香りを試させてもらったのだ。
その中でぼくが一番気になったのがこの「ヌーボー・モンド」だった。「Nouveau Monde」とは新世界という意味。
この香りの鍵となるのはココアだ。ぼくも今までいろんなウード系の香水を試してきたが、ココアとウードというのは初めてだった。
そして、これが意外にも絶妙にマッチするのである。
ココアのほろ苦くて、でもちょっと甘い香りと、ウードの深みのあるウッディな香りが独特のとろみと温かみを感じさせてくれるのだ。
その日は特に、まだ冬の寒い時期だったので、余計に肌の上に載せた時の温かみが感じられた。
そして、面白いのが、それだけではなく、少し時間がたって肌の上で温められると、ちょっとスパイシーな香りが顔をのぞかせる。実に複雑な香りなのである。
やはり、ルイ・ヴィトンはお金持ちだけあり、ルイ・ヴィトン専用のウードを育てるために、山をそのまま買い取ったというだけのことはあり、本当に上質のウードしか使っていないということが香りをかいだだけで、すぐにわかる。
華やかさは控えめなので、外に出かけて人と会う時にまとうのではなく、じっくりと自分のために時間を使いたい、あるいは大切な人と2人きりで過ごしたいという場面でまといたい香りだ。

NOTES

Agarwood(Oud), Leather, Cacao, Saffron, Rose, Olibanum, Caramel, Vanilla, Amberwood

FRAGRANTICAを見ても、他のサイトを調べても、段階ごとの香料がはっきりとわからないのだが、この香料を見てるだけで、温かみのある甘めのウードだということがわかる。そして、少しスパイシーに感じるのはサフランのせいだろう。

My Evalution

★★★★