第70夜 Oud Wood

洗練されたエキゾチックなウードに魅せられて

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DATA

Name: Oud Wood (ウード・ウッド)
Brand: Tom Ford
Launched in 2007
Perfumer: Richard Herpin
50ml ¥30,800


My Episode

アメリカのブランド、トム・フォードから香水が出ていることを知ったのは、実は3年ほど前のこと。香水好きの女友だちと新宿で会うことになり、その時彼女に教えてもらったのだ。
その時ぼくが購入したのは、「タバコ・バニラ」だったのだが、実はトムフォードからはウード系の香りが出ていることを後になって知った。
しかし、お値段がお値段(3万円を超える香水はどうしてもハードルが高くなってしまう)なだけに、ずっと後回しにしていた。
売り場で何度も試し、そのたびに印象がまったく変わるので、なかなか踏み切れないというのもあった。
どういう風に印象が変わるのかというと、トム・フォードの独特のグラマラスさが鼻につく時と、すっと肌に馴染む時があるのだ。「タバコ・バニラ」の時も同じようなことを感じたのだが、まだバニラがメインなので、それほどその差が気にならなかった。
しかし、ウードとなると、やはりどうしても気軽に身に纏えない時があるのだ。
だから、この「ウード・ウッド」をお迎えするまでには少し時間がかかった。ところが、今年のお正月明けぐらいに再びこの香りを試してみたら、妙にすんなりと肌に馴染んだのである。
たまたまネットで日本未発売の「TOBACCO OUD」をネットで注文したばかりだったということもあり、気分はトム・フォード的な感じだったので、えいや!とお迎えしたのである。

「タバコ・バニラ」の非常に濃くて独特な香りがあまりにも強烈過ぎて、この「ウード・ウッド」もきっとそういう強烈さがあるに違いないと覚悟していたのだが、実際に家で肌に載せてみたら、売り場で感じたほどの強烈さは薄らいだ。
軽やか、とまではもちろんいかないのだが、独特のエキゾチックさを保ちながらも、非常に上品にまとまっている印象。こんなに洗練された香りだったっけ?と逆に拍子抜けしたほど。
ただ、やはり日本人には好き嫌いがはっきりと分かれる香りだと思う。こういう香りをきちんと定番として日本でも販売しているトム・フォードはとても素晴らしいと思うし、ぜひ他のウード系の香水も日本で正式販売して欲しいなぁと切に願う。

NOTES

Agarwood (Oud), Brazilian Rosewood, Sandalwood, Cardamom, Vanilla, Sichuan Pepper, Vetiver, Tonka Bean, Amber

Sichuan Pepper とは、山椒のことなのだが、そんなにスパイシーな感じはしない。ただ、エキゾチックな感じがするのは、この山椒の要素を鼻が感じ取っているからなのかもしれない。


My Evalution

★★★★