第71夜 Tobacco Oud

甘い煙に燻されて…

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DATA

Name: Tobacco Oud (タバコ・ウード)
Brand: Tom Ford
Launched in 2013
Perfumer: Olivier Gillotin


My Episode

トム・フォードから魅力的な香水が出ていることを知ったのは、2年ほど前のこと。しかし、その時はまさかウード系の香水がトム・フォードから出ているとはまったく知らず、ノーチェックの状態だった。
ところが、昨日ご紹介した「ウード・ウッド」の存在を知ってから、芋ずる式に、他にもトム・フォードからウード系の香水が出ていることを知った。
しかし、キリアンのウード系香水が日本に入ってこないのと同様に、トム・フォードのウード系香水も「ウード・ウッド」以外には日本には入ってきていない。
では、どうやってその存在を知ったのかというと、インターネットだ。
ネットで色々と調べているうちに、トム・フォードから「ウード・ウッド」の他にも何種類かのウード系の香水が出ていることを知った。
今日ご紹介する「タバコ・ウード」はそのうちの1本だ。
タバコ系の香りも好きなので、ウードとタバコの組み合わせは最高だろうなと思い、この香水の存在を知ってから、どうしても手に入れたくなり、ネットで色々と調べてみたら、なんとメルカリで販売されているではないか!
ただ、一つだけ懸念点があり、異常に安いのである。
例えば、日本の正規店での値段を参考にしてみると50mlで3万円ほど。しかし、メルカリに出ていた「タバコ・ウード」は100mlで2万円以下だったのだ。
これは非常に悩んだ。
トム・フォードは偽物も数多く出回っていることも知っていたから。
しかし、出品している人のプロフィールを確認したり、詳細の写真を確認したりしても、偽物らしき様子はなかった。
そこで、思い切って購入したんである。
しかし、ここでまた問題が発生。
本物の「タバコ・ウード」を知らないので、届いたものが本物か偽物かまったくわからないのである。
とりあえず香りを試してみると、香りそのものはとてもぼく好み。甘めのスモーキで、深みも感じられる。
ただ、すでに持っている正規品の「タバコ・バニラ」と比較すると軽いんである。拡散力もそんなにない。
ひょっとしてこれは偽物?という疑念がどうしてもぬぐえなかった。
そこで、先日大阪の香水エキスパートの店員さんにお会いする時に、ダメ元でこの「タバコ・ウード」を持って行って鑑定してもらったのだ。
彼だったら、きっと様々な角度からこの香水を鑑定してくれるに違いないと思ったので。
そして、その彼が下した鑑定は「本物でしょう」ということだった。
底面についているシールには販売員にしかわからないような記号が刻印されているようなのだが、それも本物らしいし、香りも非常にトム・フォードらしい香りなので、これは本物だと思って間違いないとのこと。
ぼくはそれを聞いて、とりあえずほっとした。
もちろん、正規品がなんでこんなに安かったのか?という疑問は残るけど。
ともあれ、偽物疑惑がやっと解消されたので、これで大手を振って(?)この香水と向き合えるようになったのではあるが、まだ何度かしか纏っていないので、ファーストインプレッションしか書けないのではあるが、とにかくスモーキーであることは確か。
以前ご紹介したディプティクの「ウードパラオ」に通じるスモーキーさがこの「タバコ・ウード」にはある。

ただ、「ウードパラオ」ほどの華やかさというか、拡散性はそれほどなくて、意外とあっさりとした香りなので、夏にサクッと纏いたい時などは良いかもしれない。

NOTES

Top notes: Whiskey
Middle notes: Spicy Notes, Cinnamon, Coriander
Base notes: Tobacco, Agarwood (Oud), Sandalwood, Patchouli, Incense, Benzoin, Vanilla, Cedar

独特の甘いスパイスを感じるのだが、ぼくの鼻でかぎ分けることができるのは、サンダルウッドの甘さだ。それが一番強く感じられる。ウィスキーやシナモンといった香りもこの甘さを支えているのかなという感じもして、この構成を見ただけでもぼくの好みだということが良くわかる。


My Evalution

★★★