第72夜 Tobacco Vanille

酔うほどに濃厚なバニラの香り

f:id:happyinkdays:20210508220710j:plain

 
DATA

Name: Tobacco Vanille (タバコ・バニラ)
Brand: Tom Ford
Launched in 2007
Perfumer: Olivier Gillotin

50ml ¥30,800


My Episode

二年前の夏、香り好きの女友だちと会った時に教えてもらったのがトム・フォードだった。トム・フォードというブランドは知ってはいたけれども、ぼくはずっとコスメオンリーのブランドで、自分には無縁だと思っていた。
ところが、実は香水も出ているというではないか!しかも、何種類も出ていると知り、ぼくの鼻腔はまたしてもヒクヒクと動いてしまったのである。
しかし、伊勢丹トム・フォード売り場にずらりと並んだ香水ボトルを見て、ぼくはあまりの種類の多さに一瞬戸惑った。
どれから試せば良いのだっ!という感じ。
そこで、スタッフにいつものごとく、重い香りが好きであることを伝えたところ、おそらくぼくの好みはブラックのボトルの系列に違いないということで、その中からいくつかの香りを試させてもらった。
その時、どの香りを試したのかは忘れてしまったのだが、この「タバコ・バニラ」だけは際立っていた。
他の香りの印象がすっかり消えてしまうほど、この香りは強烈だったのだ。
ぼくがまっさきに感じたのはお酒の香り。ラムのようなとろりとした甘さを感じた。そこにスモーキーさとバニラの甘さが加わり、実にゴージャスな雰囲気になったのだ。
これは自分のための香りというよりも、もっと個性をアピールしたい時などにつけたい香りだ。
例えば、華やかなお酒の席などにこれをまとうのはどうだろうか?パーティーなど人が集まる場所にお出かけする時につけていったら、きっと何人かに「何をつけているの?」って聞かれるかもしれない。
それほどまでに濃厚なインパクトのある香りだった。
50mlで3万円超えという実にかわいくないお値段だったにも関わらず、ぼくは即決でこの香りを選んだということは、それだけインパクトが大で気に入ったのだ。
ただし、くれぐれも注意したいのが、つけすぎないこと。
さっと軽くまとっただけでも十分に香りを感じ取れるので、その点だけは要注意だ。

NOTES

Top notes: Tobacco Leaf, Spicy Notes
Middle notes: Vanilla, Cacao, Tonka Bean, Tobacco blossom
Base notes: Dried Fruits, Woody Notes

ぼくは最初からこの香りにはラム酒やウィスキーの香りが含まれているに違いない!とおもったのに、FRAGRANTICAのサイトではそれらの記述はない。恐らくカカオやドライフルーツといった香りがそういうお酒っぽい雰囲気を作り出しているのかもしれない。

また、面白いのが、タバコそのものではなく、Tobacco Leaf や Tobacco blossomなどでタバコの香りを表現しているところ。


My Evalution

★★★
一目ぼれしてお迎えしたとは言え、実はあまりにも個性的で濃厚なので、つけるタイミングが非常に難しい。ひとりの夜につけるにしては騒がしすぎるし、かといって、食事に行くときにつけても食事によっては香りが邪魔して食事に集中できないということもあるだろう。そういう意味でとても日常的には使えないので、星3つの評価である。香りそのものは非常に良いのだが、だからといって5つ★にはならないところが香水の奥深さと言えよう。