第119夜 Rose & White Musk Absolu

どこかでかいだことのある香り

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DATA

Name: Rose & White Musk Absolu
Brand: Jo Malone London
Launched in 2018
Perfumer: Anne Flipo


My Episode

香水のブランドというのは、知れば知るほどそのブランドの特徴というのが何となくわかってきて面白い。
例えば、ぼくが最初に夢中になったラルチザン・パフュームは、いかにもフランスらしい自由な雰囲気が感じられる香水が多い。ストーリー性があったり、旅をモチーフとしていたりして、ぼくたちをまだ見ぬ世界へといざなってくれる、そんなブランドだ。
一方、イギリス王室御用達のペンハリガンは、カチッとしたスーツに似合う香水が多い。どの香水にも理髪師がいるかんじ。剃ったばかりの髭に残ったシェービングクリームの香り。
もちろん、これはあくまでもぼくの勝手なイメージだし、そうじゃない香水だってあるわけだが、でも、何となくそうやってぼくの鼻はブランドごとの特徴を記憶している。
さて、今夜ご紹介するジョーマローンもまたイギリスのブランドだ。
日本ではとにかくいつも列ができるほどの人気。
ということは、つまり、日本人が好きそうな軽めの香りが多いということだ。
ということは、つまり、ぼくにはピンとこない香りが多いということなのではないか。
実際に何度か試してみたけど、やっぱりぼくがピンとくる香りは一つしかなくて、しかもそれは今は日本での販売を中止してしまった。
それぐらい縁のないジョーマローンだが、以前ご紹介した「Oud & Bergamot Rich Extrait」だけは気に入ったので購入した。

 

1001perfumenights.hatenadiary.jp

 だが、評価は★3つ。
だから、ぼくはあまりジョーマローンとは縁がないのではないかと思った。
決して嫌いというわけではないんだけどね。
ジョーマローンからも普通にウード系の香水は何本か出ているが、どれも軽いので、ぼくは敢えて買わなくても良いかなと思ってスルーしていた。
ところが、ネットを色々と調べてみると、どうやら日本未発売のウード香水があるらしいことがわかった。
そうなると試さずにはいられない性格なので、お値段もそれほど高くはなかったので、思い切って購入してみたんである。
今日の夕方、出かける用事があったので、この「Rose & White Musk Absolu」をたっぷりと纏って外出。
湿度は高めで、歩いていると汗ばむほどの陽気。
そんな中でこの香りが時々鼻先をかすめると、なんだかとても不思議な気持ちになる。
どっかでかいだことがあるはずなのに、それが全然思い出せない。
軽めのローズの香りがメイン。
でも、かすかなスモーキーさのようなものも感じられる。
鼻腔から何度も脳に指令が出され、無数の香りの記憶の中から近いものを探して、ついにぼくがたどり着いた結論は、「石鹸の香り」だった。
なんか、こういう香りの石鹸あったよね?それも海外のじゃなくて、純国産の石鹸で。
そう思わせてしまう何かが潜んでいるのだ。
ウードはかすかに感じられるのだが、でも、メインのローズにかき消されてしまっている。
そして、ぼくの鼻はこの香りを国産石鹸の香りと認識してしまったんである。一般的な日本人女性だったら、この香りは良いかもしれない。でもウード教の人はあまり面白くないだろう。

NOTES

Middle notes:Damask Rose, Rose Wate
Base notes:Agarwood (Oud), White Musk, Amber.

FRAGRANTICAによれば、この香りのTopNoteはどうやら明かされていないらしい。そして、非常にシンプルな構成であることがわかる。
しかし、それがぼくの鼻からすると裏目に出たのではないかと思っている。

My Evalution

★★★

この香りを作ったアン・フィリポという女性調香師は、ラルチザンでも何本か名香を作っており、花を使った香水に定評がある。だが、ぼくは花の香りはそんなに重要視していないので、評価は低め。