第195夜 Chamade Pour Homme

優しいファーレンハイト

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DATA

Name: Chamade Pour Homme (シャマードプールオム)
Brand: Guerlain
Lauched in 1990
Perfumer: Jean Paul Guerlain, Mathilde Laurent


My Episode

帝国ホテルの中にあるゲランのブティックでは、プライベートフレグランスコンサルテーションを受けることができる。
数年前にも、一度受けたことがあるのだが、その時はまだゲランの香水についてそれほど親しみがなかったために、それほど強烈な印象が残らなかった。楽しかったことは間違いないのだが。
今年は何度も店舗に足を運んでいるし、ゲランの香りにも親しみを感じるようになったので、ここで一度きちんといろいろな香りと向き合う意味でもフレグランスコンサルテーションを受けようという気持ちになった。
このコンサルテーションの目的は自分の好みの香りをゲランの香水の中から選ぶというものなのだが、様々な香料が吹き付けられた陶器を次々と試香していき、そこから自分の好みを見つけ出していくのだ。
もちろん、香料の名前は明かされず、直感だけで、試していく。
その過程が本当に楽しかった。
最初に香りの区分(グリーンノート、オリエンタルノート、ウッディノート、など)の説明を受け、その区分に沿った香料を試す。
ぼくの場合は、その区分を聞いただけで、すぐにどの区分に惹かれるのかがわかってしまうのだが、見事なまでにぼくの選ぶ香料はその自分の好みに沿っていた。
そして、その結果をもとに、3本のゲランの香水を勧められたのだが、その中でぼくが一番惹かれた香りが「シャマードプールオム」だった。
もともとシャマードそものもは、フランソワーズ・サガンが1965年に発表した『熱い恋』という小説があり、それが1968年にカトリーヌ・ドヌーヴ主演で映画化され、その小説と映画のイメージからジャン・ポール・ゲランによって1969年に作られた香りである。
もちろん、ぼくはそのオリジナルの「シャマード」も試させてもらったのだが、実はピンとこなかった。
1969年に作られた香り(ぼくが生まれた翌年!)というだけあり、クラシカルな感じがしたのかもしれない。
どんな香りだったのかすら鼻腔の襞に刻まれなかったほど記憶に残らなかった。
しかし、そのメンズバージョンとして1999年にジャン・ポール・ゲランとマルチド・ローランによって調香されたこちらの香りはまったく違っていた。
最初にこの香りを試した時、どこかでかいだことのある香りだと思ったのだが、それはディオールの「ファーレンハイト」であることがわかった。
もちろん、あのファーレンハイトほどのインパクトはないので、ソフトなファーレンハイトといったところだろうか。
やさしく静かに香る感じ。
プールオムなだけあり、ウッディな要素がしっかりと入っていて、そこがぼくの気に入った。

Notes

Top notes: Pepper, Bergamot
Middle notes: Hyacinth, Violet, Green Notes, Nutmeg
Base notes: Vetiver, Leather, Woody Notes

この香料を見ただけで、なるほどメンズラインなんだなということがわかる。レザーはぼくの肌の上ではそんなに強く感じられない。

My Evalution

★★★★

残念ながら、この夏で廃盤になってしまったので、駆け込みで購入することができて良かった。正直、まだはっきりと香りの輪郭をつかめていないので、これから徐々に仲良くなっていきたいと思う。