第267夜 Mumbai Noise

アンバーとウードの濃厚な香りに包まれて

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DATA

Name:Mumbai Noise 
Brand:Byredo(バイレード)
Lauched in 2021
Perfumer: unknown
50ml ¥22,000

My Episode

香水の名前というのはとても大切だと思う。
なぜなら、香水というのは、目に見えないもので、イメージが何よりも大切にされるものだから。
だから、香水の名前というのは、その名前だけでも香りを妄想する楽しみを秘めている。
例えば、ぼくの大好きなラルチザンパフュームの「バラ泥棒」だとか、ディオールの華氏という意味の「ファーレンハイト」、あるいは催眠的な毒という意味の「ヒプノティックポワゾン」なんかは、ネーミングセンスが抜群に良いなと思ってしまうんである。
そういう意味では、今日ご紹介する「ムンバイノイズ」もまた妄想を掻き立てられる名前なんじゃないかと思う。
ムンバイは、インドの第二の都市で、紀元前からの歴史を持つ古い都市でもある。もう、それだけで、ぼくの鼻はヒクヒクとうごめいてしまうのだ。
インドは行ったことはないけれど、昔から憧れの地でもある。
様々な仏教遺跡を有し、歴史的にも古い国で、広大な土地に様々な文化が根付いている国。
そんな国の都市の名前がついているんだから、期待しないわけがない。
そして、名前からぼくはすでにそこにぼくの大好きな香料があるに違いないと思っていた。
そうしたら、案の定、大好きなウードが入っているらしいという情報はすでに手に入れていた。
そんな期待を胸に、ぼくは渋谷に期間限定でオープンしているバイレードのショップに遊びに行ったのだ。
目的はただ一つ、そのムンバイだけ。
すでにバイレードのウード系の香りは持っているので、そのことをお店の方に伝え、今日はそんなウードの新作を試しに来たとお伝えして、早速ムエットで試させてもらった。
その瞬間からぼくの鼻はこの香りにわしづかみにされたんである。
濃厚なウードがまずトップからしっかりと感じられるのだが、さらにそこに独特の甘さが加わる。これって、絶対にアンバーだよね?この甘さはアンバー系の甘さだよね?というのがすぐに感じ取れる。
グルマンとも違う、もう少し違う甘さが漂うのである。
アンバー系の甘さとグルマン系の甘さの決定的な違いはそのスモーキーさにある。アンバー系の甘さはどこか煙たさを伴っているのだ。一方グルマン系はもうちょっとこってりとした、クリーミーな甘さ。
さて、このムンバイノイズはそんなアンバー系の甘さをしっかりと感じられるウードの香りが特徴的で、そこがインドらしさをさらに強調しているように思える。
でも、それだけではなく、コーヒーやトンカビーンといったグルマン系の甘さもしっかりと兼ね備えていて、これは、アンバー系好きもグルマン系好きも満足させることができる香水なんじゃないかと思っている。

NOTES

Top note:Davana
Middle notes:Coffee, Tonka Bean
Base notes:Agarwood (Oud), Sandalwood, Labdanum

ウードの香りがしっかりと香るので、ウード好きにはぜひ試していただきたい。逆にウードが苦手な人には、ちょっと濃いと思われてしまう可能性もある。ただ、スモーキーなのが好きな人とか、甘い系が好みという場合にはやはりこれは外せない香りになるんじゃないかと思うので、やはりいろんな人に試してもらいたい。
日本で、こういう香りの取り扱いが始まったというのは実に嬉しいことで、もっともっとこういう重厚感のある香りが注鼻されないかなって思っている。

My Evalution

★★★★★
文句なしの五つ星。ぼくはこういう香り、無条件で好きなんだなぁ。独特の雰囲気があるし、外国チックという面もあって、エキゾチックな香りを探している人にはぴったり。