第274夜 Les Sables Roses 

薔薇と沈香にスパイスを添えて

 

DATA

Name:Les Sables Roses(レ・サーブル・ローズ)
Brand:Louis Vuitton (ルイヴィトン)
Lauched in 2019
Perfumer: Jacques Cavallier
100ml ¥49,500

My Episode

ウードは単体だとかなり個性的な香りなので、何かの香りと一緒に使われることが圧倒的に多い。組み合わせ的に一番多いのがローズだ。まぁ、ローズそのものが香水の中でも一番使われることが多い香料らしいけど(ローズの入っていない香水はないと言われるほどたいていの香水には何かしらのローズの香りが入っているという話も聞いてたことがある)。
さて、このルイヴィトンの中東シリーズもそんなウードとローズが組み合わされた香りだ。
でも、正直ぼくは薔薇の香りが苦手である。
なぜなら、どうしてもフェミニンな印象を持ってしまうから。薔薇=おふくろさんよ、的な先入観。
だから、薔薇薔薇しい香りは避けてしまうのだ。
で、実はこの「レ・サーブル・ローズ」も何度もヴィトンの表参道店に行くたびに試させてもらっていたにも関わらず、ずっとぼくはぴんとこないままでいた。
ウードというよりも薔薇が前面に出過ぎているし、さらにウードと薔薇の組み合わせで一番多く感じる胡椒のようなスパイスを感じるから。
それを良く良く考えてみたら、このピリッとした香りはサフランなのだということを最近発見した。
サフランはぼくは勝手にラルチザンのサフラントゥルブランという大好きな香りの印象が強くて、ずっと甘めスパイシーだと思い込んでいたので、この甘さ控えめの(っていうかほとんど甘さゼロ)のスパイスがサフランだとは思い至らなかったんである。
そして、ぼくの肌の上に載せると、さらにそのサフランが強く出てくるのだ。
ウードが出てくるのは、もう本当にラストのラスト。恐らく1時間ぐらい肌の上で熱せられないと出てこないんじゃないだろうか、というほど深く肌に浸透した後に出てくる感じ。
だから、もしこのウードをより引き立たせたいと思ったら、外出する1時間以上前に纏わなくてはならないだろう。
ただ、今のように気温も湿度も高い時期はもう少し短い時間でウードの立体感が出てくるかもしれないので、例えば夕方のお出かけ前のシャワーの後にプッシュすると調度よいかもしれない。

NOTES

Rose, Bulgarian Rose, Agarwood(Oud), Ambergris, Saffron, Black Pepper

そりゃこれだけ香料でローズが入っていれば、薔薇薔薇しくなるのは当然のこと。ただ、アンバーグリスの獣的な香りはかなり時間がたってからひっそりと肌の後ろに潜んでいる感じ。そこはちょっと感じられるとゾクッとするかもしれない。

My Evalution

★★★
なぜ、この香りを(高いくせに他の中東系に比べて評価は低めなのに)買ったのかというと、次回ご紹介する予定の「フルール·ドュ·デゼール」を購入する際に、せっかくだから全部揃えちゃえ!という単純な理由。
でも、なんだかんだ言って、ルイ・ヴィトンの香りは高いだけのことはあるので、つべこべ言わずに使いたいと思っている。気分が上がるしね。

 

ルイ・ヴィトンの公式ページはこちら。

jp.louisvuitton.com