第278夜 Noctambule

バランスの良いウードとバラに感動

 

DATA

Name:Noctambule(ノクタンブル)
Brand:Givenchy (ジバンシイ)
Lauched in 2022
Perfumer: Ane Ayo
100ml ¥39,160

My Episode

6月24日にGINZA SIXにオープンしたジバンシイでのみ発売が開始されたウードシリーズの3本の中の1本。
実はこの香りは先行情報を読む限り、あまり期待していなかった。だって、ぼくがそれほど心惹かれない薔薇が入っているから。
ウードと薔薇の組み合わせというのは今までもこのブログでも何本かご紹介してきたのだが、比較的ありがちな組み合わせである。だから、何となく、勝手に香りを予測できたのだ。きっとウードとローズが混ざったら、こういう香りになるだろうなという先入観をぼくの鼻腔は持っていた。
ところが、そんな鼻腔が勝手に作り上げた妄想は試香してみて見事に裏切られた。それも良い意味で。
ウードとローズが混ざると、ちょっとスパイシーになったり、あるいはちょっとグリーンになったりクリーミーに落ち着いたりしがちなのに、この「ノクタンブル」は、まったくそのどれにも入らないのだ。
薔薇の花の香りを漂わせながらも、それがこってりとせず、見事にウードとの調和を見せている。ベタベタしているわけでもなく、スパイシーになることもなく、実にバランスが良い。
そう、ジバンシイのこのシリーズはどれもがバランスが良いのである。ウード過ぎず、薔薇過ぎず、でも、その両者をしっかりとバランスよくミックスしている。
ぼくの苦手な要素がこの香りからはまったく感じられないのだ。
だから、これも迷わずに発売日当日にお迎えすることになったのだ。

ところで、この香水の発売日、つまりGINZA SIX店のオープンの日、お店の方々とお話をさせていただいたのだが、なぜか、いつの間にか、ぼくの周りに3人の店員さんがついてくださり、1対3の接客を受けた。
これが非常に楽しかった。
ぼくがいかにウードが好きかという話をしたら、すごく興味を持っていただいた。
1本1本試しながら、これは「華やかでぼくが持っているロベルトキャバリというブランドの中東限定の香りに似ています」だの「これはすごくレザリーですね。渋くてかっこいい。秋冬に大活躍しそうだけど、これぐらいだったら夏の夜にも良いかも」とか「わぁ、これ全然期待していなかったけど、ぼくの苦手な薔薇がそんなに主張していなくて、ウードとのバランスがとても良いですねぇ」などと勝手な感想を言うものだから「お客様にぜひトレーナーになっていただきたい」と言われたほど。
でもね、そういう香りの感想を語れるというのは非常に大切なことだと思うし、特にスタッフの皆様にはそういう香りの感想を語るトレーニングを積んで欲しいなぁと素人ながら思ってしまったんである。

NOTES

Top:Grasse Rose, Pink Pepper, Cumin
Heart:Papyrus
Base:Agarwood(Oud)

FRAGRANTICAのジバンシイの情報はとても少なくて、これだけを見ると非常にシンプルなのだが、このバランスの良さというのはこのシンプルな構成に何か秘密が隠されているのかもしれない。

My Evalution

★★★★★

つい最近ではルイ・ヴィトンの「Les Sables Roses 」もバラとウードの組み合わせだが、正直に言ってしまうと、このジバンシイの方がバランスが良くて、ぼくの好みだ。軽やかなところが何と言っても良い。一年中まといたい。

このキャップトップもGINZA SIX限定のちょっとエレガントな雰囲気が感じられたので、このキャップにしてもらった。