第297夜 Là-Bas

革と薔薇が奏でる大人甘美な世界

 

DATA

Name:Là-Bas
Brand:Régime des Fleurs
Lauched in 2021
Perfumer: Dominique Ropion
70ml ¥47,300

My Episode

前回ご紹介したAL-Dukhanを購入した時に一緒に試した香り。AL-Dukhanの方はウードが入っているわりにさっぱりした香りなので、纏いやすいかなと思ったし、ウードにしては珍しいと感じたのでそちらを選んだ。だが、何かもう一つ物足りなさを感じていた。そんな時は、同じブランドの他の香りを試すに限る。そんな中で一番ぼくの鼻腔が喜んだのがこの「Là-Bas」だった。むしろこっちの方がウードっぽいんじゃね?っていうくらい重い。
レザーと薔薇といういかにもありがちな組み合わせなのだが、この組み合わせにありがちなスパイシーさはない。むしろちょっと甘いんである。といっても、レザー感が強いので、甘ったるい仕上がりではなく、ほのかにレザーの下にバラが潜んでいるという感じの甘さ。
ちょっとアニマリックでセクシーな面もある。レザーというのは本当に面白い素材で、甘くも辛くもなるし、その中間にとどまることも多い。
他の素材と合わせることで、重くなったり、軽くなったり、甘くなったり、辛くなったり、あるいは乾燥した香りを放つこともあれば、湿った香りにもなる。
革そのものがそういう要素を含んでいるのだろう。だって、元々は動物の革なわけだからね。
このLà-Basに関しては、夏よりも、これからの秋冬、いや、むしろ冬の寒い時期に纏いたくなる香りだ。

NOTES

Bulgarian Rose, Turkish Rose, Leather, Patchouli, Oakmoss, Castoreum

なるほど!カストリウムがこの独特の動物臭さの要因だ!香料を見ると、香りを客観的に分析できるので、そこが楽しいのだが、それが明らかにわかる、ある意味わかりやすい香りと言えよう。ローズを二種類使っていても、余ったくならないのは、レザーやパチョリ、オークモス、カストリウムといった重さのある香りがふんだんに使われているからなのだろう。


My Evalution

★★★★

季節限定にはなるが、これは冬の時期にじっくりと向き合いたい香り。革ジャンの下に忍ばせたら良い感じで香りそう。