第309夜 In The Shower

シトラスの皮をかぶった狼の香り

 

DATA

Name:In The Shower (インザシャワー)
Brand:Nonfiction (ノンフィクション)
Lauched in 2020
Perfumer: unknown
30ml ¥6,930

My Episode

ノンフィクションは韓国発の香水ブランド。韓国で香水が作られているというのは非常な驚きだったのだが、実はコスメ大国である韓国は日本よりもはるかに香水市場は大きいとぼくは思っている。
というのも、日本未入荷のウード系の香水が韓国にはかなりの種類入っているらしいのだ。それはつまり、ウード系の香水が受け入れられる土壌が韓国にはあるということ。それを聞いてちょっと羨ましく思った。
だから、韓国発の香水ブランドがあると聞いた時も、驚いたことは驚いたけど、「なるほどね」という気にもなった。コスメが発達している国なのだから、そこから派生してボディミスト、ボディクリーム、シャワージェル、そして香水といった感じで香りものが発展してもおかしくないわけだ。
とはいえ、ぼくはまったく予備知識もなく、いきなり伊勢丹のメンズ館でポップアップをやっている時に試したものだから、何がなんだかわからないうちに香りを次々と試すことになった。
その中でぼくが最も惹かれたのがこの「インザシャワー」だった。
トップのシトラスはぼくは非常に苦手なので、最初はスルーしていたのだが、他の香水を試している間に、だんだんとその香りが変化していったんである。
なんと、シトラスの香りはまったく感じられなくなり、まったく違う香りが顔を出したのだ。最初、「え?これ、さっき試したインザシャワー?」って思ってしまうほどの違い。こんなにトップからミドル、ラストにかけてがらっと短時間のうちに変化する香りもそんなにないんじゃないだろうか。
ベルガモットの爽やかな香りがどんなふうに変化したのかというと、非常にアニマリックに変化したのだ。もう、これは本当にびっくり。何なの?このアニマル感!?と韓国に向かって叫びたくなるほどだった。
まさにシトラスの皮をかぶった狼という感じで、その変化をぜひたくさんの人に試して欲しい。好みは別として、これはなかなか面白いし、ラストに残る、この独特のアニマル感も個性的。好き嫌いはきっぱりと分かれるけど。


NOTES

Patchouli, Tobacco, Bitter orange, Campari, Guaiac Wood

トップのシトラスは、恐らくビターオレンジだろう。だが、ミドルからラストのアニマルな香りはどれが原因なのだろうか。パチョリやガイアックウッド、タバコ、そしてカンパリの渋みが重なることで、アニマリック感が出るのかもしれない。

My Evalution

★★★★

実はこの香り、当初は星3か2の評価だった。だって、臭いんだもん!甘さも全然感じられないし。でも、実はそういう香りほど、後々気になり、そして、いつしか好きに変わるので、星4に格上げしておいた。
サロンドパルファンでも登場するので、ぜひ他の香りも含めて楽しんで欲しいと思う。