第380夜 Kar-Wai

洗練されたレザーの香り

 

DATA

Name: Kar-Wai(カーウァイ)
Brand:Carine Roitfeld(カリーヌ・ロワトフェルド)
Lauched in 2019
Perfumer:Pascal Gaurin
90ml ¥37,400

My Episode

毎日のように通った2022年のサロンド・パルファンでは数多くの新作香水との出会いも楽しかった。
その中のひとつが今日ご紹介するカリーヌ・ロストフェルドのカーウァイである。
カリーヌ・ロストフェルドは、フランス版「ヴォーグ」の編集長も務めたことがある人で、彼女の名前を冠したブランドからは7つの香水が出ている。
7つの都市と、そこにまつわる男性たちがモチーフになっているのだが、箱の再度には「7 lovers」と記されている。
おいおい、世界中に恋人がいたんかい!という突っ込みをしたくなるが、あくまでもこれは彼女が恋をした男性たちという意味なのだろう。
だが、ぼくはこのブランドに関してはノーチェックだった。まったく予備知識もなかった。ファッションに疎いぼくはカトリーヌのことすらも知らなかった。
だから、売り場でも実はそれほどぼくの鼻はこのブランドに興味が持てなかったのだ。
すべての香りを試してみたが、その中にウード系の香水はあったものの、そんなに惹かれなかった。他のブランドのウードの方が強烈だったから、何となく優しい気がしてしまったのだ。(今から思うと、もう少し時間をかけて試すべきだったとちょっと後悔しているのだが)
でも、その7本の中で一番インパクトのある香りがこの「カーウァイ」だった。
まず、名前。
ぼくは香港映画が大好きなのだが、特にウォン・カーウァイの作品は一番たくさん見ているほどお気に入りの監督。『恋する惑星』なんて、何度見たことか。他にも『欲望の翼』『ブエノス・アイレス』『花様年華』など、好きで好きで何度も見返してしまう映画をたくさん作っている。
さらに、その「カーウァイ」がぼくの好きなレザー系なんである。これはもう、鼻が喜ばないはずがない!
すぐに飛びついて買うことはせず、会期中に何度も試してお迎えを決めたわけだが、今改めて肌に載せてみて、やっぱりこれは購入して良かったと思っている。

NOTES

Leather, Musk, Cardamom, Tea, Turkish Rose, Vetiver, Osmanthus, Bergamot, Jasmine

トップは「え?これ、本当にレザー?」と思ってしまうほど軽い柑橘系の香りなのだが、1分もたたないうちにどんどんレザー感が出てきて、20分後にはしっかりと肌の上でレザーが載る感じだ。だが、確かにレザーではあるが、重ったるくない。むしろ軽い感じのレザー。だから、これは夏の暑い時期でも使えるんじゃないかと期待している。

My Evalution

★★★★★
これはレザーの重さがちょっと苦手…という人に試して欲しい。ここまで軽いレザーは珍しいんじゃないかと思う。