第483夜 L'Amant

古書店への誘い

DATA

Name:L'Amant(ラマン)
Brand:L'Artisan Parfumeur(ラルチザンパフューマー)
Lauched 2026
Perfumer: Nathalie Lorson

My Episode

ラルチザンフリークのぼくは、ラルチザンの本国のインスタもフォローしているし、メルマガも登録しているので、自然と本国からの情報は入って来るようになっている。
このラルチザンが新作「ラマン」を発売することも、本国のインスタで知った。
それからずっと気になっていて、表参道のお店に行くたびに「いつ入っているのか?」とスタッフに詰め寄ったりもしていた。まぁ、遅くともサロパの頃には入ってきたら良いなと思っていたら、なんともっと早く日本にも入って来るということを知り、すごく楽しみにしていた。
どんだけ楽しみにしていたかというと、発売日である4月10日の開店と同時にお店に入って、日本でこの香水を購入する第一号になるくらい楽しみにしていたのだ。
楽しみにしていた要因はいくつかある。
ひとつはこの香水にインクの香りが入っているらしいという情報が入って来たから。
もう一つは調香師がぼくの大好きなナタリー・ローソンだったから。
さらに、この「ラマン」というタイトルに惹かれたから。
ラマンとはフランス語で愛人という意味で、マルグリット・デュラス原作の「ラマン」は映画化もされ、当時一世を風靡したから。ぼくは原作も読んだし、映画も見たのだが、当時20代だったぼくにはちょっと難しい内容で、何となく退廃的なフランス映画という印象しかなかった。
ただ、その雰囲気は今でも強烈に覚えていて、「ラマン」というタイトルそのものに、そういう雰囲気を重ね合わせたくなってしまうので、一体どんな香りなんだろうと期待をしたのである。
お店に入り、いつもお世話になっているスタッフと話をしながら、早速ムエットを出してもらったのだが、第一印象をひとことで表すと「古書店の香り」だ。
ちょっとかびくさいような古本屋の印象がトップから感じられるんである。でも、トップからインクの香りはしっかりと香る。
今までにもインクの香りはいくつかこのブログでも紹介しているし、他にも紹介していない香りで試したことのあるインクの香料が入った香水は知っているのだが、ぼくが今まで嗅いだことのあるインク系香水の中で、これほどまでにはっきりとインクの香りを認識する香水には出会ったことがない。それほどまでにこの「ラマン」はインクが前面に出ているのだ。
そして、そのせいもあるのかもしれないけれども、どこかノスタルジックな雰囲気を持っている。
それもクラシカルっていうんじゃなくて、純粋に懐かしい気持にさせてくれる。それが古書店の香りなんである。
ぼくは学生時代は早稲田~高田馬場や神田神保町の古本屋を歩きまわるのが大好きだった。その時に様々な古書店で感じた何とも言えない本の香りをこの香水は思い出させてくれるんである。
この香水を手に入れてから、ぼくは文具イベントでもこの香りを纏ったりしたのだが、どうもその印象がとても良かったみたいで、その後、この香りを求めて表参道のラルチザンを訪れた人もいるらしい。
それぐらいこの香りは他の人にとってもインクの香りを想起させるものなんじゃないかと思う。
ただ、正直に言うと、一般的ではない。
なんでもストレートにお店の人に言ってしまうのであるが、この香水を買う時もスタッフに「これはなかなか日本では売れないかもしれない。玄人向けじゃない?」などと暴言を吐いてしまったほど。ゴメンナサイ…汗。
でも、ふたを開けてみたら、結構この香水人気らしくて、発売当初は結構皆さんお迎えされたみたいだ。
なかなか他にはない香りだから、みんな一度嗅いだら忘れられないのかもしれない。
ペッパーの香りというのもまたユニークで、その辛さもこの香りの大きな特徴と言えよう。

もうひとつ特記すべきことは、パッケージである。通常の紙のパッケージではなく、ベロア調のパッケージで、さらにボトルに貼られたシールも同じベロア調。それだけでもこの香水がラルチザンパフューマーの中でも特別だということがわかる。

NOTES

Top note:Ink
Middle notes:Chili Pepper, Spices
Base notes:Patchouli, Woody Notes

ラルチザンでペッパーと言えば、ベルトラン・ドゥショフールが手掛けたピマンブルランが有名だが、そのペッパーとはまったく違った印象を持っていて、ピマンブルランを持っている人はぜひ比較して見て欲しい。

 

1001perfumenights.hatenadiary.jp

ピマンブルランはペッパーをメインに、ダークチョコレートやカカオ、シナモン、アンバーといった比較的グルマン系の香料も入っていて、そこがユニークなのだが、このラマンはそういった甘さはほとんど感じられず、ただひたすらに辛い。でも、そこが魅力なんじゃないだろうか。

My Evalution

★★★★

非常にユニークな香りだし、ある意味ラルチザンらしさも感じられるのであるが、じゃあ、これをどんな場面で纏いたいか?と聞かれると、ちょっと困ってしまう。ぼくの場合は文具イベントに出展することもあるので、そんな時に纏うのにちょうど良いと思うのだが、普通の人だったら、これはどんな場面に会うだろう?と考えてしまう。ただ、とても静かで内省的な香りでもあるので、外に出るというよりも、夜一人で静かに過ごす時とか、それこそ読書の時なんかに纏ったら、非常に良いのではないかと思った。
そういえば、ナタリー・ローソンは「Sketch」という香りを作っていて、そちらもピンクペッパーを使っていてそれもまた素晴らしい香りなので、こういう香辛料系の香水が得意なのかもしれない。

 

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さらに調べると、ルラボのロンドンも彼女によるもので、それもまたペッパーがメイン。(っていうか、もう名前からしてペッパー!)

 

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もし、ナタリー・ローソンご本人にお会いすることがあったら、ぜひ、ペッパーへのこだわりについて聞いてみたいなと思った。