第521夜 À Fleur de Pêche

ワイルドな桃を纏って大胆に

DATA

Name:À Fleur de Pêche(ア フルール ド ペッシュ)
Brand:L'Artisan Parfumeur(ラルチザン・パフューマー)
Lauched 2023
Perfumer: Antoine Maisondieu

My Episode

ラルチザン・パフュームは、前の代理店の時に伊勢丹などのデパートで展開されていて、たまにぼくも買うことはあったが、他のブランドも扱う代理店だったためか、スタッフの何人かと話してもラルチザンに対する愛情があまり感じられず、そうなるとどうしても足が遠のくこともあった。もちろん、ラルチザン好きのスタッフもいたにはいたのだが。
そのためか、後になってこんな香りがあったのか!と気づかされる香りも多かった。
今日ご紹介するこの桃をベースにした香りもまさにそうだった。
存在は知っていたし、試したこともあるけど、肌載せするほどではなかった香り。
でも、2025年に表参道にオープンしてあれこれと試したら、あら、こんな良い香りがあったのね。おまえ、どこに隠れていたんだい?と問いかけたくなるような香りだった。
メインとなる桃の香りの他に、かすかにおふくろさんを感じるのがちょっと難点だけど。その正体は恐らくバラとかジャスミンといった花の香りのせいだろう。でも、やっぱりメインにいるのは桃の香り。
それも瑞々しいフレッシュな桃っていうんじゃなくて、もっとどっしりとしたも桃の香り。肉厚な桃。グラマラスな桃。そんな表現が似合いそう。
でも、その大胆さが逆に夏には良いのだ。
昨年の夏に買う候補に入っていたのだが、すでに買いたい香水があったので、後回しにしていた。だから、今年の夏は絶対にこれをお迎えすると決めていたんである。
全開ご紹介したCédrat Céruseが除湿系香水なら、こちらは真逆の夏の暑さを味方にするような熱帯系香水。
夏の暑い盛りにわざとこの香りをつけて、ここぞとばかりに夏を満喫しなきゃ損よ!太陽に負けないわ!と強がりを言いたくなるような、そんな時にばしゃばしゃ纏いたい。
まぁ、それなりにどっしりした香りなので、「ばしゃばしゃ」はやばいかもしれないが。

NOTES

Top note:Peach
Middle note:Jasmine
Base note:Patchouli

これもシンプルな構成。
フレッシュな桃の他に、おふくろさん感はジャスミンによるもの、どっしり感はパチョリによるもの、というのが明確にわかって面白い。


My Evalution

★★★★

これもまた夏に使いたい。他の季節に使うとどうなるか試したいことは試したいけど、やっぱり桃だから夏というイメージが強い。

第520夜 Cédrat Céruse

ハーバルな除湿系香水

DATA

Name:Cédrat Céruse(セドラ セリューズ)
Brand:L'Artisan Parfumeur(ラルチザン・パフューマー)
Lauched 2022
Perfumer: Quentin Bisch

My Episode

2025年にラルチザン・パフューマーが旗艦店として表参道に戻って来た時に、日本では初お披露目となる香水がいくつかあった。野菜をテーマにしたボタジェコレクションというシリーズもそうだった。
でも、正直に言うと、グリーンが苦手なぼくにはどの香水もグリーンみが強くて、ムエットに載せただけで、むせてしまうほど。
つくづく、自分はこういう香りが苦手なんだなと思った。
なんかこう、ムワッという独特の匂いに気持ち悪くなるのだ。
都会で育ったからとか、あまり土に触れるような人生じゃなかったから、とかそういうのではないと思うんだけど。
子どもの頃は鎌倉に住んでいて、それこそ裏山や海で散々遊んでいたし。
でも、ボタジェコレクションはどれも土のついや野菜感が強くて敬遠していた。
唯一ぼくの鼻腔が反応したのが「Tonka Blanc」。これはそんなにグリーンみが感じられなくて、トンカの甘さの方が勝ったので受け入れることができたのだ。
さて、今日ご紹介するCédrat Céruseも苦手な野菜シリーズ。そしてメインとなるのがフェンネル。
フェンネルは、地中海原産のセリ科の多年草で、日本では「ウイキョウ(茴香)」とも呼ばれる甘い香りと爽やかな風味を持つハーブ。葉、茎、株元、種子のすべてを料理やハーブティー、スパイスとして幅広く利用できるとのこと。
凝った料理をあまりしないので、フェンネルを見たこともないのだが、日本のスーパーにはあるのだろうか?少なくとも我が家の近くのスーパーでは見たことがないような気がする。
そもそも、セリ科と言われても、セリそのものをそんなにぼくは料理で使わないのでわからないのだが…。
なので、まったくベースとなる香りはわからないまま試してみたら、これが意外にも良いんである。
確かにかすかにグリーンな感じはするが、それよりも、もっと乾いた、かさかさした香りがするんである。
肌に載せて、しばらくすると日焼けした後の乾いた肌っぽい感じ。
あぁ、これは絶対に除湿系香水だなと思った。
体にまとわりつく湿気をきれいに取り除いてくれるような、そんな感じがするんである。特にふきたてよりも、しばらく時間が経ってからの方がその感じがより出る。
オードパルファムなのに軽く感じられるので、ぼくの場合はたっぷりと化粧水みたいにしてつけるのだが、それでもやっぱり軽く感じる。ふわっという軽やかさを纏っているような感覚とでも言おうか。
湿度の高い夏は大活躍の香りである。

NOTES

Fennel, Lemon, Pink Pepper

明かされているのはこの三種類。
実にシンプル。
そこがまた面白い気がした。


My Evalution

★★★★

これも悪くないけど、自分はハーバルな香りもそんなに得意ではない(だったらアロマオイルでも塗りたくっておけ)ってなるから。
ただ、夏のどうしようもない暑さの時には手が伸びると思う。

第519夜 Crepusculum Mirabile 63

ジャスミン香るエキゾチックな夏の夜

DATA

Name:Crepusculum Mirabile 63
Brand:L'Artisan Parfumeur(ラルチザン・パフューマー)
Lauched 2021
Perfumer: Daphné Bugey

My Episode

夏は軽い香り一辺倒になりがちだけど、それは昼間の話。
夕方から夜にかけては、逆に軽い香りよりも、重い香りの方が美しく香ることが多いような気がする。
例えば、ラルチザン・パフューマーの昔の「ニュイド・チュベルーズ」なんて、まさに夏の夜の花の香りって感じで、非常に艶めかしいし、湿度の高い夏だからこそ、魅惑的な花の香りをしっかりと楽しむことができるような気がする。
もちろん、冬に纏っても全然良いのだけれど、夏の方がより肌に密着する感じがするのである。もわっと感が冬とは違って、それが香水の面白い面を引き立ててくれる、そんな気がする。
今日ご紹介する Crepusculum Mirabile 63もまさにそんな夏の夜に纏ってほしい香りのひとつ。
トップからがつんとジャスミンの香りがするのだが、これがけっこう大胆な感じ。そして、ジャスミンの花って、ちょっとチュベローズのような独特の甘さと濃厚さを持ち合わせていて、かなり大胆な印象。
基本的にぼくは花の香りって苦手で、それはなぜかというと、花=フェミニンという印象が強いから。でも、何度もこのブログでも書いているように、グラマラスな花の香りはむしろ好きなんである。だって、媚びてない感じがするじゃん?
可愛い女の子ぶっているような「あたし清楚なんです」と言わんばかりのフラワリーな香りって、本当にイライラしてくるけど、「このあたくしに何か文句でもあるのかしら?」とでも言いたげな突き抜けた花の香りは全然ウェルカムなんである。つまり、媚びていないから。あたしはあたし、これがあたしの香り、としっかりと主張してくる香りだと、無条件で降伏しちゃう。
この Crepusculum Mirabile 63はそんなムンムンとするような色気と、ジャスミンのエキゾチックさが見事にマッチした香りなんである。

NOTES

Top note:Jasmine
Middle note:Sandalwood
Base note:Tonka Bean

明かされているのは、トップ、ミドル、ベースそれぞれ一つの香料のみ。非常にシンプル。だからこそ、香りが際立つのかもしれない。

My Evalution

★★★★

香りとしては良いんだけどね。
じゃあ、これが評価に結びつくかと言うと非常に微妙ではある。
つけていく場所を考えちゃうかなぁ。

第518夜 Musc K

塩ムスクは夏を味方につける香り

DATA

Name:Musc K
Brand:Ella K(エラケー)
Lauched 2023
Perfumer: Sonia Constant

My Episode

基本的に香水というのは、秋・冬に纏うもの、という考え方がわりと一般的だと思う。冬の方が綺麗に香る香りも多いし、元々香水文化が発展したのはフランスなどの比較的湿度が低い寒い地域だから、どうしても冬の大人の嗜み的な感覚はあると思う。
でも、最近ぼくは、夏に楽しめる香水を敢えて探しているところがある。だって、冬を彩ってくれる香水なんて当たり前にたくさんあり過ぎませんこと?特にぼくが好きなウード系やレザー系ってさ、どうしても重いから夏よりも秋冬向きなんだよね。だから、意識しなくても自然と手に取ってしまうところがある。
でも、夏につける香水となると、ぼくは少しハードルが上がる。特に日本のこの湿度の高いじめじめした夏を心地よくしてくれる香りなんてあるんだろうか?と思ってしまうのだ。ぼくは特にシトラス系が苦手(ぼくの肌の上ではえぐみがでてしまうの)なので、余計にシトラス系ではない夏に付ける香りとなると、ちゃんと考えて選ばなくてはならない。
で、ぼくは、湿度を取り除いてくれる(ような気分のする)香水を「除湿系香水」と呼び、逆に夏の太陽や暑さを思う存分楽しませてくれるような香りを「熱帯系香水」と呼ぶようにしている。除湿系香水は木の香りとかパウダリーな香りが多くて、熱帯系香水はココナッツとかトロピカルフルーツのような香りがメインとなる。
さて、今日ご紹介するムスクKははたしてどっちなんだろうか。
この香りが発売されたのは2023年なのだが、発売当初からこの香りは話題になっていた。それまでのエラケーとは違うCollection Kというラインの最初の香水として発売されt。
これは、調香師であるソニアがその時につき合っている恋人からインスピレーションを得て作られた香水ということらしく、素材を前面に出した香りとしているのが大きな特徴。
そのスタートとなったのがムスクを主体としたムスクKである。当時ソニアがつき合っていた恋人というのがサーファーで、彼の肌の香りからインスパイアされたんだとか。
それだけで、なんだかもうちょっとエロティックだし、いかにもフランス人っていう感じがして、色々な場面を妄想してしまう。
そして、このムスクKは、それまでぼくが知っているようなムスクとはまったく違う。まったく違うと言うと語弊があるけど、ムスクはムスクであることは間違いないんだけど、今までのブランドにある、いわゆるありがちなムスクとは一線を画すという感じなのだ。
まず、日本人の大好きな石鹸ぽさがほとんどない。もっと大人の雰囲気がするのだ。それは塩っぽさにあらわれている。この独特の塩の香りがあるからこそ、このムスクKは安っぽいムスクの香りとはまったく違ってくるのではないだろうか。
ぼくは2023年にこの香りが発売されてから毎年夏になるとこの香りをヘビロテしているのだが、とにかく夏の蒸し暑さに非常に合う。
そしてこれは除湿系ではなく、どちらかというと熱帯系香水かなぁ。夏の暑さを楽しむための香りとでも言おうか。
例えば都会でこの香りを楽しむのであれば、どこか塩っぽいところが海の雰囲気を想起させ、都会にいながらにして夏のリゾート地を妄想することができる。
逆に夏のバカンスに出かける人はぜひ積極的にこの香りを持って行って欲しい。特に海辺のバカンスにはこの香りは必須。絶対にひと夏の経験を香りと共に記憶にとどまらせる効果があるから。
しかも、ココナッツとか、トロピカルフルーツといった甘さはあまりないところが、また良い。そこが大人っぽいというか。
季節限定ではあるけど、その季節を目いっぱい楽しむ時には最適の香水と言えるだろう。

ソニアが来日した時にサインをしてもらったボトル。
白だから金色のインクが映えるのです!

NOTES

Top notes:Sand Lily, Pink Pepper
Middle notes:Cedarwood, Orris
Base notes:Musk, Haitian Vetiver

改めて香料を見てびっくりしたのは、見事に甘さゼロ!ここまで徹底して甘さを出さないのは逆に潔くて良い。


My Evalution

★★★★

ムスクが苦手なぼくでもこのムスクは良いなと思う。夏に積極的に使いたいので、夏の間はなくならないで欲しい。ただボトルが透明じゃないので残量がわからないのがちょっと残念。

第517夜 Musc X

ムスクの香りって何?

DATA

Name:Musc X
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2025
Perfumer: Alex Lee

My Episode

ムスクの香りというのは、比較的若い人に人気という印象がある。
でも、本来のムスクって、元々はジャコウジカの分泌物(天然ムスク)で強い動物臭や重みがあった。
それが保護のためにすべてホワイトムスクのように合成香料が使われるようになったという経緯がある。
若い人たちに人気なのは、石鹸のような清潔感のある香りという印象が強いかららしいが、その理由がまたびっくりで、「昔の洗剤や柔軟剤に多く使われたため、日本人の間で”お風呂上がりや洗いたての服の匂い”として定着した」とのこと。
ぼくは、そういう香りが大嫌い(だってあざといじゃん?お風呂上りの石鹸みたいな香りって、「だったら直接石鹸でも塗りたくってろ!」って悪態をつきたくなるのよ!)だから、最近のこのムスクブームもちょっと敬遠しちゃうんである。
自分がこういうのをつけていると、「あざといと思われるんじゃないか?」みたいな気分になるから。
でも、まぁ、食わず嫌いってこともあるし、BTSOは全部アーカイブとして持っておきたいということもあり、Musc Xはお迎えしたわけですよ。
肌に載せた時思ったのは、そんなにみんなが好きそうな清潔感一辺倒の香りではないということ。
そこはさすがBORNTOSTANDOUTだけあり、香りにひねりを感じる。肌に載せた瞬間から、その違いはわかる。単なる清潔感ではなく、もっとアニマリックな部分もしっかり感じるのだ。
そして、当然のことながら、BTSO的な甘さもしっかりとある。そこがやはりブランドの軸ということになるのだろう。

NOTES

Top note:Olibanum
Middle notes:Cotton Candy, Labdanum
Base notes:Musk, Ambroxan, Amber Xtreme, Ambrette, Benzoin, Sinfonide

甘さの要因はCotton Candy(綿菓子)だということがわかる。


My Evalution

★★★

やっぱり自分はムスクはあんまり好みではないのね、と思った。なんかこうとらえどころがないというか。このムスクは日本人の大好きな石鹸系ではないものの、やはり輪郭がぼんやりしていることには変わりはなく、そこがちょっと物足りないかなぁ。

第516夜 Not Vanilla

バニラの香りとは何か?

DATA

Name:Not Vanilla
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2022
Perfumer: Frank Voelkl, Florian Gallo

My Episode

基本的に甘い香りは好きだ。
グルマン系の甘い香りも好きだし、フルーティーでジューシーな甘い香りやアンバー系のお香のような甘い香りも大好物。苦手なのはお花系やおふくろさん系(いわゆるシプレ―と呼ばれる部)。あとの甘さはたいていいける。
だから、バニラももちろん守備範囲なのだが、ひとことでバニラといってもいろんなバニラの表現方法があって、それを比較するのもまた楽しい。
今日ご紹介する「Not Vanilla」は名前からしていろんな想像力をかきたてられる。
直訳すると「バニラではない」ということなので、バニラの香料を使わずにバニラを表現しているのか?それとも単なるバニラではないよ、ということなのか、タイトルだけだと頭が混乱してしまうので、とにかくこればかりは肌に載せなくては、と思って肌載せしてみた。
うん、確かにバニラの要素はしっかりと感じられる。でもそれは非常に柔らかい。バニラっていうと、割と自己主張の激しい「あたし、グルマン系代表なのよ!何か文句でもありますか?なんでも甘くしてやるわよ!お菓子やケーキの甘さが欲しかったら、あたしに任せてちょうだい!」的なところがあるのだが、この「Not Vanilla」はそういう自己主張がまったく感じられない。
「すいません、あの、あたし、バニラなんですけどね、ほんの香りづけなんですよ、今日は。だから他の香料の方たちを引き立てる役に徹したいと思っていますの、すいませんね。今回はちょっと許してちょうだいね。ひかえめなつもりでも、どうしても香料の特性上、前に出ちゃうかもしれないけど、あくまでもあたくし、添え物ですので、そこんとこ、よろしく」と前面にバニラの香りはそんなに出ていない。
ただ、やはりバニラらしい、ちょっと苦みを伴った独特のグルマン系の甘さはかすかに感じる。
「アフタヌーンティを楽しむ昼下がり」がテーマらしいのだが、確かにそういう優雅さのようなものは感じられる。アフタヌーンティで出されるちょっとした小さなお菓子にバニラが使われているという感じなのだろうか。
そこがこのバニラ香水のおもしろいところだと思った。

NOTES

Top notes:Camphor, Nutmeg, Bergamot
Middle notes:Vanilla, Juniper Berries, Cedar, Violet
Base notes:Praline, Cetalox, Musk, Guaiac Wood, Amber, Moss.

CamphorとかPralineといったあまり知られていない香料が出てきて、これはなんだろう?と思ったので調べてみた。

調べてみたら、Camphor(カンファー/カンフル)とは、クスノキ(楠)の木部から得られる、強い清涼感のある香りの結晶(日本語名:樟脳〔しょうのう〕)のことでカンフル剤の由来となっているみたい。シナモンカンファーというのもあるらしい。

プラリネ(praliné)とは、ローストしたナッツ類に加熱した砂糖を加えてキャラメリゼ(カラメル化)したもののことです。一般的には、それをすりつぶしてペースト状にしたものや、中に詰め物をした一口サイズのチョコレートを指すこともあります。

あ、プラリネだったら知っている。これこそグルマンの代表ともいえる香りだよね。と納得。

My Evalution

★★★

実はこの香り、バニラメインじゃないからなのか、非常に輪郭がぼんやりした香りだと思う。ぼーっとしているというか。甘いの?甘くないの?どっちなの!はっきりして!と叱り飛ばしたくなるような、そんなぼんやりした香り。そこがぼくには物足りないかなぁ。

第515夜 Sin & Pleasure

罪と快楽を香りで表現?

DATA

Name:Sin & Pleasure
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2023
Perfumer: Amelie Bourgeois

My Episode

何とも不思議な香りである。
甘さはあるんだけど、その他にもいろんな要因が詰まっている、そんな不思議な香り。肌の載せた時はちょっとツンとしたようなとがった香りがするのだが、それがだんだんと肌に沁み込んでくるとBTSOっぽい独特の甘さが出て来る。ところがそこから今度はパチョリの土臭い香りがしてくるんである。湿度を放つ大地の香りと言おうか…。あの雨上がりの感じが今度はラムのようなお酒の雰囲気を連れて来る。この変化がなんと5分ぐらいで感じられるんである。もうね、これは本当に面白い。
Sin & Pleasureとは、訳すと「罪と快楽」という意味で、罪を背負った快楽っていうのは、なんとも背徳的で、続々すると思うのだが、まさにそういう二面性を感じさせる香りでもある。
ラストの方はちょっとスパイシーな香りもして、非常に大人っぽい香りでもある。あと、海外に行った時にしばしば遭遇する香りはこんな感じかもしれない。日本ではあまり感じないような独特の苦みを伴った香り。
この香水をどんな場面でつけたいかと言われると非常に困る。
パーティーの時に纏うような華やかな香りでは決してないし、かといって一人の時間を楽しむような香りでもない。
ただ、日常的に纏うことで、なじんでいくような雰囲気はある。
拡散性はないけど、重い香りではあるので、意外と自分で楽しむのに使うのも良いだろう。一人でふらっと買い物に行った時とかに、デコルテあたりからこの香りが漂ってきたら、ちょっと海外のショッピングモールを歩いているようなそんな気分になれるかもしれない。


NOTES

Vanilla, Caramel, Rum, Almond, Patchouli, Agarwood (Oud), Sandalwood, Leather, Ylang Ylang, White Flowers, Oakmoss

バニラやキャラメル、アーモンドなどの甘さと、パチョリやウード、レザーといった重さのバランスがとても良いのだと思う。

My Evalution

★★★★

時間が経てば経つほど日本人には絶対に作れないような独特の香りだなというのがわかる。なかなか面白い。個性的だけど、目立つ感じじゃなくて、でも、しっかり自己主張はしている、そんな香り。