第508夜 Sugar Addict

ピリ辛甘いシュガーの香り

DATA

Name:Sugar Addict
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2023
Perfumer: Anne-Sophie Behaghel

My Episode

BTSOが日本に上陸したのが2023年のこと。その時からぼくはとにかくこのブランドが好きで、少しずつではあるが買い集めている。
今日ご紹介するSugar Addictは比較的初期の作品で、日本上陸時にはもう既に入っていて、ぼくも割と早い段階で手に入れている。
Addictとは「中毒」という意味で、直訳すると砂糖中毒になるのだが、確かに甘い香りだ。
ただ、べったりとした甘さを期待しているとそうでもなくて、ちょっと拍子抜けするかもしれない。むしろ、焦げた感じとか、苦い感じがするのだ。
でも、実はそこがこの砂糖中毒の怖さ。
甘すぎるものって、だんだんと麻痺していって、なんか舌の感覚なのか鼻の感覚なのかわからないけど、甘さだけではないものを感じることがある。
それが甘みとは正反対の苦みとか、辛さのようなものを妄想させるのかもしれない。
このSugar Addict単に甘いだけではない、砂糖のいろんな面をしっかりと表現しているのではないか?という気がする。
ちょっとした辛さ、あるいは焼いたようなスモーキーさもある。
あぁ、本物の砂糖って多面体なのね、と気づかされる感じとでも言おうか。
その複雑なところをしっかりと表現しちゃうところが、BTSOの凄いところで、だからぼくはこのブランドが大好きなんである。
どの香りも一癖あって、一筋縄ではいかないかんじね。このブランドの香水自体がどれも媚びていない。いわゆるモテ香水とは対極にある感じ。
化粧水みたいなうっすい香水ばかりを好む日本人からするとあまりにも強烈過ぎてトゥーマッチに感じられるのかもしれないけど、だからこそぼくはこのブランドが好きで好きでたまらないのだ。

NOTES

Sugar, Rum, Vanilla Absolute, Cinnamon, Tonka, Cashmere Wood, Cacao, Labdanum, Coffee

砂糖やバニラ、トンカのような甘い要素だけではなく、ラムやシナモン、カカオ、コーヒーといった苦みやスパイシーな香りも使って表現しているから多面的になるんだろうなぁ。

My Evalution

★★★★★

調香師はぼくの大好きなアン・ソフィー・べへゲル。彼女とは数年前のサロパでお会いしているのだが、とても気さくで楽しい人で、そんなこともあって、彼女の作り出す香りってすごく興味あるし、ぼくの好きのツボをしっかり押さえて作ってくれている気がする。この香りももちろん、★5つ!

第507夜 Fig Porn

意外とフラワリーなフィグの香り

DATA

Name:Fig Porn
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2022
Perfumer: Florian Gallo

My Episode

フィグ、つまりイチジクの香水は、今は香水業界ではかなりメジャーになり、いろんなブランドでいろんな形でフィグを使った香水が出ている。
そんなフィグに最初に目をつけたのがオリビア・ジャコベッティと言われており、彼女の作ったラルチザン・パフュームの「プルミエフィグエ」は世界で初めてイチジクを使った香水として知られており、今ではラルチザンのアイコン的存在になっている。
ところがぼくはこのフィグ系の香りとはどうしても仲良くなれない。なぜなら、青臭いから。イチジクの香りそのものがグリーンみが強い果物だと思うのだが、香水になるとよりそのぼくの一番苦手なグリーンのクリーミーさが目立ち、鼻が拒否反応を示してしまうのである。
今日ご紹介するBTSOのフィグ香水もまた、名前の通り(っていうか、名前がすごいよね。フィグポルノだぜ!いいのかよっ!って突っ込んでしまいたくなる…笑笑)、フィグがしっかりと感じられる。
ただ、そのフィグは非常に滑らか。確かにグリーンみのある、ちゃんとしたフィグなのであるが、フラワリーな雰囲気に包まれていて、それほど緑の感じが前面に出ているような感じではない気がする。
肌の上でだんだんと落ち着いてきて、少し乾いたパウダリーな香りに変化するのも面白い。べたつき感の少ないフィグ香水って珍しいんじゃないかな。
ちょっと外国の石鹸っぽい感じもする。

NOTES

Top notes:Fig, Pear, Bergamot
Middle notes:Turkish Rose, Peony, Cedar
Base notes:Musk, Vanilla, Sandalwood, Amber

トップはイチジクも含めて洋ナシやベルガモットなど非常にフルーティー。それも緑みを緩和させる要素なのかもしれない。そして、シダー、ムスク、サンダルウッドなどがパウダリー感を出しているものと思われる。

My Evalution

★★★

グリーンみが少ないとはいうものの、やはりフィグはフィグなので、個人的にはあまり出番はないかなっていう気がする。

第506夜 Zest Z&T

大人な自分を演出したい時の香り

DATA

Name:Zest Z&T
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2022
Perfumer: Honorine Blanc

My Episode

BORNTOSTANDOUTは、ハロッズなどのデパートや、前述の韓国のアイドルなどとのコラボ香水を作っているが、今日ご紹介するZest Z&Tもそんなコラボ香水のうちの一本だ。ZESTというのはソウルにあるカクテルバーで、アジアのベストバーでは2位に選ばれただけでなく、世界のベストバー50にも入るくらい有名なバーのようだ。
そんなZest Z&Tは、大人っぽい雰囲気から始まる。肌の乗せた瞬間、ちょっとアロマティックでありながらも、ちょっと大人の苦み走った感じもしする。そして、肌に載せてからしばらくするとまったりとした不思議な雰囲気が漂ってくる。ぼくはお酒が苦手なのだが、そんなお酒っぽい香りが漂ってくるのだ。
まったりとしたまるみを帯びたお酒の独特のあの感じ。ウィスキーだとか、マッコリだとか、熱燗だとか、そういうお酒の感覚。下戸が下手にこれをつけると、酔ってしまうのでは?と思うくらいお酒感あるので、お酒好きな人はぜひ試して欲しい。

NOTES

Top notes:Gin, Lemon Verbena, Juniper, Pink Pepper, Guatemalan Cardamom
Middle notes:Clary Sage, Coriander, Black Pepper
Base notes: Patchouli, elemi, Virginia Cedar

お酒要素はトップのジンにしかないのだが、いろんあ要素が組み合わさって、この独特の丸みを帯びたお酒みが醸成されるのだろう。

My Evalution

★★★

下戸にはちょっときついかな。何となくグリーンみも感じて、どうしても鼻が受け入れてくれない。


香水 #千一夜香水物語 #BORNTOSTANDOUT

第505夜 Angel's Powder

激甘好きに激推し!

DATA

Name:Angel's Powder
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2024
Perfumer: Anne-Sophie Behaghel

My Episode

基本的にBTSOの香水は甘い。どんな香水にも根底にあるのは甘さだと思っている。でも、その甘さというのは、実に多種多様。クリーミーな甘さもあれば、パウダリーな甘さもあるし、ジューシーな甘さもあれば、ウッディな甘さもある。だから、甘いのが苦手という人には実は刺さらないブランドなのかもしれない。
さて、今日ご紹介する Angel's Powderはどんな甘さかというと、トップから感じられるフルーティーな甘さ。である。肌に載せたとたん、果物のカプセルが弾けたような香りが周囲に漂うのだ。もうね、本当にそれが衝撃的!
しかも、それがちょっとチェリーっぽいのよ。この場合のチェリーというのは「さくらんぼ」じゃなくて、「アメリカンチェリー」ね。なんかもう、わかりやすい思いきりアメリカンなお菓子のチェリーって感じ? そして、それが安っぽくないの。さすが、それはアン・ソフィーの作る香水だけあって、表面はとてもキャッチーで甘いのに、しばらくすると、ちょっと大人っぽい乾いた塩気のようなものが漂ってくるのである。
この香水の面白いところは、こってりとした甘さだというのに、フルーティーで、瑞々しいから、肌にまとわりつくようなべたつく甘さではない点だ。
これだったら夏の暑い時期にもぴったりだし、昼間のおでかけにつけても良いだろう。ただし、仕事には不向き。だって、こんな香り纏っちゃったら、自分だけじゃなく周りの人たちもみんな逃避行したくなっちゃうもん。
だから、休みの日の昼下がりのお出かけにおすすめ。
夏でも冬でもこの香りは季節を問わず気分をより高めてくれる。そして、夜よりも昼から夕方にかけてがベストかな。

NOTES

Top notes:Nail Polish, Sugar, Pink Pepper
Middle notes:Cotton Candy, Raspberry, Vanilla Sugar
Base notes:Heliotrope, White Musk, Guaiac Wood

FRAGRANTICAのNOTESにはチェリーはないっていないけど、コットンキャンディーとか、ラズベリーあたりがチェリーっぽさを演出しているのかもしれない。

My Evalution

★★★★★

これもかなり甘さ爆発!な香りなんだけど、この甘さがべたついていないところがぼくの気に入った。瑞々しいって香りにおいても非常に大切な要素だと個人的には思っていて、そのみずみずしさを存分に味わえるフルーティー香水だ。

第504夜 Be My Cookie

できたてクッキー、食べちゃいたい!

DATA

Name:Be My Cookie
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2024
Perfumer: Véronique Nyberg

My Episode

子どもの頃、クッキーが苦手だった。当時のクッキーって、クリームバターこってりで、全然美味しくなかった。口の中の水分は全部持っていかれるし。だから、お土産で泉屋のクッキーをもらっても(当時は泉屋のクッキーがお土産の定番だった)、「げっまたかよ!」って内心思っていた。
ところが大人になってから差し入れでもらった泉屋のクッキーを久々に食べたら、劇的に美味しくなっていてびっくりしたことがある。え?ちょっと待って、こんなに美味しかったっけ?と驚いたんである。
子どもの頃はバタークリームを使ったただ甘いだけのショートケーキを食べさせられていたけど、大人になってからケーキが進化して美味しくなったのとまったく同じ感覚。
それ以来、ぼくは泉屋のクッキーはおいしいと思うし、他のお店のクッキーでも多種多様なものがあって、どれも美味しいので、今では大好物とまでは言わないが(自分では買わない)、割と食べる機会が増えたお菓子でもある。
さて、そんなクッキーをモチーフにした香水が大好きなBTSOから出たのでぼくはとても楽しみにしていた。
BTSOって、基本的に根底に甘さがある気がする。どんな香りでもBTSO的な甘さというのを感じるのだが、それがクッキーというテーマでどんな風に感じられるのか、それが楽しみだったのだ。
実際に肌載せしてみると、トップからこんがりと焼きあがったクッキーの香りが肌の上に広がる。まさに自分がクッキーになったような気分に浸れる。
果たして、この香り、他の人からはどんな風に感じるのかがちょっと気になる。食べちゃいたくなるんだろうか?でも甘いのが苦手な人はどうなんだろうか?とかいろいろと考えてしまった。

NOTES

Top note:Raspberry
Middle notes:Cookie,Castoreum
Base notes:Tonquitone™,Vanilla Absolute

トップがラズベリーというのは意外。そして、カストロリウムとかTonquitone™というアニマリックな香りが使われているのも面白い。ところでこのTonquitone™(トンキトン)は、AIの情報によると、IFF社が開発した合成香料(アニマリック・ムスク)で、ジャコウジカから採取される本物の天然ムスクの香りを動物愛護の観点から再現したもので、温かみのあるクリーミーさの中に、力強くセクシーな獣っぽさを持つベースノートとして知られている。とのこと。

My Evalution

★★★★

焼きたてクッキーの再現性はすごいなと思う。でも、ちょっとトゥーマッチかなぁ。もう少し甘さが抑えた方が個人的には好き。

第503夜 Nanatopia

ほろ苦バニラはいかが?

DATA

Name:Nanatopia
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2023
Perfumer: Alex Lee

My Episode

水分の多いフルーツが好きだ。メロン、スイカ、桃、梨といった口に入れた瞬間、口の中に果汁が広がる、そんな果物が子どもの頃から大好きだった。(まぁ、離乳食がマスクメロンでしたからね…笑笑)逆に、水分のほとんどない林檎だとかバナナだとかはどちらかというと苦手。もちろん、出されれば食べるけど、自分で買って食べることはほとんどない。
一時期ジムに通っていた時はバナナは総合栄養食だから良いと言われて、無理やりジム前に食べていたりもしたけれど、やはり好んでというよりも義務で食べていた節がある。
さて、そんなバナナをモチーフとした香り。バナナは確かに苦手だけど、トロピカルな雰囲気は好きなので、そういう意味でこの香りはとても気にはなっていた。
バナナといえば、昔ラルチザン・パフュームがバナナをモチーフにした香りを出していたのだが、その時ぼくはあまりバナナに興味がないというのと、後回しで良いという理由で買いそびれていて、いつのまにかディスコンになって、非常に悔しい想いをしたことある。
さて、BTSOのバナナはどんな感じかと言うと、実はそんなにバナナバナナしていない。バナナを期待すると拍子抜けするかもしれない。というくらいバナナ感が薄い。トロピカルな雰囲気を期待して、そこにバナナが加わっているのであれば、もっと楽しめたかもしれない。そこが残念。

NOTES

Top notes:Rum, Cinnamon, Nutmeg
Middle notes:Banana, Caramel, Bread
Base notes:Tonka Bean, Cypriol Oil or Nagarmotha, Orcanox™

トップのシナモンがあんまり感じられない。この独特のバニラの奥にいる苦さはなんだろう?ブレッドあたりの小麦っぽさがそういう雰囲気を出しているのかもしれない。

My Evalution

★★★★

もう少しバナナの香りがしたら、楽しかったのに…。それがちょっと残念なところではある。

第502夜 Choco Loco

大人のためのドライなチョコはいかが?

DATA

Name:Choco Loco
Brand:BORNTOSTANDOUT(ボーントゥスタンドアウト)
Lauched 2025
Perfumer: Gaël Montero

My Episode

若い頃は良く食べていたけど、大人になるとそれほど口にしなくなった食べ物がある。例えばパスタ。昔は女友だちと会うたびに、都内のあちこちのパスタ屋に入って、やっぱりパスタ良いよねぇ、なんて言い合っていたのだが、大人になると、すっかりそんなこともなくなり、今ではほとんどパスタを食べる機会もなくなった。(年に数えるほど)
実は甘味にもその傾向があり、チョコレートがまさにそれ。子供の頃はあんなにチョコレートを食べていたのに、今はほとんど食べない。自分で選ぶとしても、普通のチョコレートではなく、ホワイトチョコレートのみだ。(なぜかホワイトチョコレートだけは自分で選んで食べることがあるけど)
でも、グルマン系の甘い香りは大好物なので、大好きなBTSOからチョコの香りが出ると聞いて、いてもたってもいられず、発売日と同時に買いに行ったのが今日ご紹介するChoco Locoだ。
とっぷからがっつりとチョコ。前面にチョコがどーんといて、そのチョコも甘いだけじゃなくて、ちょっとビターな雰囲気がある。こってりというよりも、むしろドライな雰囲気のチョコで、ちゃんとチョコレートを感じられながらも、それほど甘ったるくないところがこのChoco Locoの魅力と言えるだろう。
ビターチョコっていうと甘さ控えめって思いがちだが、甘さはしっかりとありながらもビターというのが正解。
大人っぽさもあるから、大人チョコを捜している人にはぜひ試して欲しい。
パッケージも板チョコ使用でこれまた楽しい。

NOTES

Top notes:Cocoa, Liquor, Butter
Middle notes:Cacao, Liquor, Burnt Sugar, Caramel, Condensed Milk, Whipped Cream, Ginger
Base notes:Vanilla Absolute, Cookie Dough, Brown sugar, Marshmallow, Musk, Ambrette

ココア、バター、カカオ、焼き砂糖、コンデンスミルク、キャラメル、ホイップクリーム、クッキー、ブラウンシュガーにマシュマロと、もうこれでもかっていうくらい甘いのを入れていながらも、甘ったるくならないのは、ジンジャーなどがアクセントになっているからなのか?

My Evalution

★★★★★

やはりこれも星5つ。これだけ再現性の高いチョコを作るのってすごいなと思う。それでいながら、BTSOらしいビターな甘さもあって、そこもすごいところだと思う。
調香師のGaël MonteroはモンブランのStar Oudを作った人で、これから彼の作品にも注目したいと思っている。