第68夜 Irrévérent

傲慢なほど甘いウードはいかが?

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DATA

Name: Irrévérent (イレヴェレント)
Brand: Histoires de Parfums
Launched in 2017
Perfumer: Luca Maffei
120ml ¥30,800

 

今、気づいたのだが、調香師Luca Maffeiは、以前にもご紹介したペリスモンテカルロの「ウードインペリアル」を作った人でもある。「ウードインペリアル」もひと鼻惚れしたお迎えした香り。彼は他のブランドでもウード系の香りを作っていて(日本未発売の「Oud Pour Lui」 Alyssa Ashley)そちらもすごく気になってきた!

 

My Episode

「著名なキャラクター、マテリアル、および神話について語られる嗅覚のライブラリー。」というコンセプトのHistoires de Parfums(イストワールドゥパルファン)のことは、ノーズショップに通うようになってから知ったブランド。
しかし、あまりにも種類が多すぎて、ずっと敬遠していた。
だが、3月に渋谷のノーズショップでこのブランドのフェアが行われ、ウードの香りが登場するという話をフォロワーさんから聞いたので、鼻息も荒く、初日に訪れたところ、見事にはまってしまい、期間中何度も渋谷に通ったし、ウード系の香水のみならず、他の香水もかなり集めてしまった。
ウード系の香水はいくつかあり、結局、イストワールのウード系の香水はすべて揃えてしまったんだけど、この「イレヴェント」は一度嗅いだだけで、すっかり気に入ってしまい、迷わず15mlではなく、大容量の120mlでお迎えした。
何がそんなに気に入ったのかというと、その甘さだ。
ウードの香りは軽めで、それよりも、アンバー系の甘さとフルーティーな甘さがぼくの鼻腔を心地よくくすぐるのだ。
結局、ぼくはなんだかんだ言いながら、甘党なのかしら?という気がした。
ただ、その甘さというのも、そんなにベタベタしていない甘さが好きで、この「イレヴェレント」はそんなすっきり系の甘さに感じられたのである。
イストワールドゥパルファンの公式サイトの説明を読んでみると、ぼくの好きな要素が見事に表現されている。

 

A sweet freshness of bergamot, elemi and lavender clash vigorously with a balm of styrax and aoud, wanting to indulge themselves in patchouli’s impertinence and sandalwood’s gushing insouciance.

ベルガモット、エレミ、ラヴェンダーの甘い新鮮な香りが、スティラックスとウードの香油と激しくぶつかり合い、無礼なパチョリと、不愛想極まりないサンダルウッドとともに自分を甘やかす。

 

サンダルウッド、ウード、そしてパチュリという大好物要素が見事に絡み合った香りだということがわかる。さらには、「無礼」だの「無愛想」だの「甘やかす」といった単語がまたぼくの好奇心をくすぐるではないか!
そして、少しそこにアロマティックな雰囲気を感じさせてくれるのが恐らくラベンダーだろう。
ぼくは一時期アロマオイルにも凝っていたこともあるので、ラベンダーの香りというのは香水に使われていても非常にアロマティックに感じるのである。

これは家の中で使うというよりも、もっと外に出て使いたい香りだ。すっきりとした甘さが、他の人に明るい印象を与えることになるような気がする。

ちなみに、「irreverent」とは、「慣習を拒む」という意味があり、意外にもこの香りは前衛的な香りと言えるかもしれない。そんな激しい印象は香りからは感じられないのだけれども。

NOTES

Top notes: Elemi, Lavender, Bergamot
Middle notes: Styrax, Agarwood (Oud), Coffee
Base notes: Amber, Patchouli, Sandalwood

これがFRAGRANTICAに記載されいてるノートなのだが、公式サイトにはさらに面白い記載がある。( )内は武田の訳。

|| Disrespecting norms.(規範を軽視する) - Bergamot, Elemi, Lavander -
|| Outside of established rules.(確立されたルールの範囲外) - Coffee, Oud, Styrax -
|| Displaying insolence.(傲慢さを示す) - Patchouli, Sandalwood, Amber

もう、一体なんなのっ!この( )内の言葉!
これだけを見るとどんだけ傲慢でわがままな香りなんだ!って思ってしまうが、でも、そこがまた香りの面白いところ。ぜひいろんな人にその甘くて芳しい傲慢さを味わって欲しい。

 

My Evalution

★★★★