第143夜 Patchouli Nosy Be

煙たいパチョリに燻されたい!

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DATA

Name:Patchouli Nosy Be (パチョリ・ノシ・ベ)
Brand:Perris Monte Carlo
Lauched in 2014
Perfumer:unknown
50ml ¥15,950

My Episode

モナコ公国のブランド「ペリスモンテカルロ」のことを知ったのは昨年のこと。「インペリアル・ウード」という素晴らしいウード系の香水にひと鼻惚れして、以来、ずっとこのブランドは気になっている。
特にこの黒ボトルのシリーズは重い香りが多いので、少しずつ揃えたいと思っているほど。
そんな中で、ウードの次に気になっていたのが「パチョリ」である。
このコラムでも何度か書いていると思うが、「パチョリ」はウードの次にぼくが好きな香料で、このブログのカテゴリーでも「Agarwood(Oud)」の次に「Patchouli」が多い。
あまりにも土臭い香りなので、ぼくはずっとパチョリの香料は何かの根っこから採られるものだと思い込んでいた。しかし、それがシソ科の植物の葉っぱから抽出されると聞いてびっくりしてしまったのである。
生のままではほとんど香りがなく、採取されて乾燥させられる段階で香り立つのだそうで、良くぞこんな素晴らしい香りを見つけてくださいました!昔の人!と感謝したくなる。
女性用香水の1/3にパチョリが使われていると聞いて、ちょっと驚いた。メンズっぽい雰囲気がしたからだ。しかし、量によって、例えばシプレ―系の香りに使われたり、ウッディ系の香りに使われたりするのだそうだ。
しかし、パチョリにもいろんな香りがあり、ウードと同じように、様々なブランドの解釈のパチョリを集めるのも楽しい。
さて、ペリス・モンテ・カルロの「パチョリ・シ・ノベ」はどうかというと、非常にスモーキーである。肌の上に載せると、土の香りが一瞬するのだが、すぐに煙のような香りに変化する。
燻され感という意味では最上級のクラスだ。
とにかく燻されておしまい!と言いたくなるほど。
だが、その燻され感もぼくの肌の上では1時間ももたない。
ぼくの肌はとにかく香りを吸収してしまうので、20プッシュしても1~2時間で消えてしまうのである。
かろうじて肌に鼻を近づければかすかに残るような感じ。
しかも、その時はぼくの肌の上ではスモーキーからクリーミーに変化している。そこがちょっとぼくには物足りない部分でもある。

Note

Top notes: Patchouli, Pink Pepper
Middle notes: Cacao, Labdanum
Base notes: Patchouli, Vanilla, Sandalwood, Cedar

タイトルにもなっているノ・シベ島は数多くの香料の原料が栽培されていることで有名で、世界で初めてパチョリ栽培に成功した地でもある。だから、そんなこだわりが感じられるのかもしれない。
トップノートは甘味のあるスモーキーなのだが、肌に載せて数十分すると甘みが消えて苦みのようなものもかんじられるようになり、そこからだんだんとバニラの甘さが出てきて、ほのかに甘い余韻を楽しむようなイメージ。

My Evalution

★★★★

トップの煙たい甘さが最高なのだが、つかの間の香りで、次の苦みスモーキーに変化してしまうところが、ちょっと物足りない感じ。できればこのトップのままもう少し楽しませてくれたら最高なのに。