第127夜 Yrupé

 

君たちパパイヤ、グアヴァ、マンゴーだね!

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DATA

Name:Yrupé(ユルーペ)
Brand:Fueguia 1833
Lauched in 2020
Perfumer:Julian Bedel
30ml ¥19,800

My Episode

夏はやっぱりシトラスだよね!
という方は他のブログでいっぱい紹介されているので、そういうブログに行って欲しい。
この千一夜香水物語では、そんな万人受けするような香水は一切扱わず、むしろひねくれものたちを唸らせる香りを載せていきたいと思っている。
というわけで、今週は夏につけたい香水特集。
日本の夏は香水の本場であるヨーロッパ各国と比べると湿度がかなり高くて暑い。木陰に入ってもむわっとするような空気に包まれ、扇子や団扇であおいでも熱風がかき乱されるだけ。
ぼくは冬生まれのせいか、夏が非常に苦手だ。
とくに湿度に弱い。
じとっとした汗が肌にこびりつき、それだけで、ただでさえ鈍い動きがさらに鈍くなってしまう。
だったら、シトラス系のさっぱりした香りを使えば良いじゃないか!
と親切にアドバイスをしてくれる人もいるかもしれないが、ぼくの肌には柑橘系オンリーの香りは全く受け付けないんである。
とにかく汗の香りと混じると苦くなってしまい、つけている自分がその香りに倒れてしまう。
だからシトラスメインに香りはまず使わないようにしている。
特に夏は。
じゃあ、どんな香りをつけているのかというと、系統としては2種類ある。
一つは「夏の暑さを味方につける香り」。
これは、香りが湿度と見事に調和して、まるで南国にいるような気持ちにさせてくれる香りだ。つまり、荒療法。
日本の暑さは許せないけど、これがジャングルだったら許せちゃうんじゃない?という発想。
もう一つが「湿度を下げてくれる香り」。
肌に載せて、熱せられることで、乾いた香りがその周りの湿度を吸ってくれるような香りのことを言う。
この二つの系統の香りを今週はご紹介したいと思っている。
今日ご紹介するのはフエギアの「ユルーペ」だ。
昨年日本で発売され、瞬く間に売り切れてしまったという噂の香りで、非常に人気が高い。
ぼくの好みを知っている店員さんからは「ケンさんは必要ないと思う」と言われて、ぼくも最初はそういう斜め鼻線でこの香りを試香していた。
系統としてはグリーンだし、グリーンは苦手な分野だし。
ところが、確かにグリーンはいるんだけど、それよりも何よりもフルーツが印象的で、それが忘れられないでいた。
そして、昨年の年末に運よく30mlの在庫があるというので思い切ってお迎えしたのである。(100mlを使いこなす自信がなかったので)
でも、冬の時期につけると、きっとグリーンが強く出るだろうなと思って、暑くなるのを待っていた。
やっと先週ぐらいから湿度がどんどん増してきて、今こそつけるべきだ!と思って、纏ってみたら、これがもう、大成功。
パパイヤやグアヴァ、そしてマンゴーといった南国のフルーツを思わせる香りが湿度に見事に調和して、心地よい気分にさせてくれる。
つまり、この香りは「夏の暑さを味方につけてくれる香り」となる。
ぼくの肌は香りを吸収しやすいので、このぐらいの香りだと、片腕5プッシュ、デコルテ5プッシュ、首の後ろに5プッシュ、体全体のオーラに10プッシュと合計30プッシュするのだが、それでも外出する頃には体温に温められ、程よく落ち着く。クリーミーな香りがまるで乳香のように肌から漂ってくるのである。
夏はかなりの頻度でこの香りをつけることになるだろう。

NOTES

Tonic note: Papaya
Dominant note: Guava
Sub Dominant: Paramela

一年でたった一晩しか香りを放たないというイベラ湿原特定の花、パラグアイオニバスから採取された香りは、パパイヤ、マンゴー、パイナップル、グアヴァのような香りで、それが見事にこの香水で再現されている。

My Evalution

★★★★

季節限定という意味で、ちょっと評価は低くなるが、それでもやっぱり夏には欠かせない香りになると思っている。