第357夜 Ardent

甘くてゴージャスな昼の香り

 

DATA

Name:Ardent(アーデント)
Brand:Boadicea the Victorious(ブーディカ ザ ヴィクトリアス
Lauched in 2012
Perfumer:Christian Provenzano
100ml ¥36,080

My Episode

ブーディカ ザ ヴィクトリアスというブランドに俄然興味を持つようになったのは、まずはそのボトルのゴージャスさがきっかけだったのだが、サロンドパルファン2022の内覧会で初めてボトルを見たり、関係者の方と話をしたりした後、家に帰ってFREGRANTICAを調べてみたら、なんと、ぼくが最近ずっと気になっている、クリスチャン・プロヴェンザーノ氏が手掛けた香水が多いことが判明したのである。それを知った時は(帰りの地下鉄の中だったけど)、思わず声に出して「うそっ!」と言ってしまったほどの衝撃だった。
だって、クリスチャン・プロヴェンザーノといえば、中東向けの香水を数多く手がけ、ペンハリガンのぼくの大好きな中東ウードシリーズのほとんどを彼が調合しているんである。驚かないはずがないではないか。
で、サロパの初日にその話をPRで来日していた本社担当者に伝えたところなんと彼はクリスチャン・プロヴェンザーノの友だちだということで、すぐにその場でメールでぼくのことを伝えてくれて、イギリスに住んでいる彼がそれを読み、すぐに嬉しいというようなことをメッセージで寄せてくれたんである。
図々しいぼくは「いつか日本に来てほしい!」と伝えてもらったほど。まだまだ日本では知名度はそれほど高くはないが、とにかく彼の作る香水はどれも強烈な個性を持ち、非常にユニークだ。
ベルトラン・ドゥショフールに通じるとんがり方をしているとぼくは勝手に思っている。
さて、そんな彼が手掛けた香水が今回も何本か入荷してきたのだが、その中でも最もゴージャス感があるのがこの「アーデント」だった。肌に載せたとたん、明るい雰囲気が肌の上で広がる。そして、甘い。グルマン系の甘さなのだが、べたべたしたような感じではなく、爽やかな甘さと言って良いだろう。
これは明らかに夜ではなく昼のイメージ。
明るい陽射しの中でたっぷりとゴージャスに纏ったら、きっと楽しい一日を過ごすことができるんじゃないだろうか。
ただし、仕事をする日は厳禁。やる気なくすかもしれないから。

NOTES

Top notes:Turkish Rose, Saffron, Coriander, Carrot Seeds
Middle notes:Rose, Beeswax, Jasmine, Hedione
Base notes:Vanilla, Patchouli, Agarwood (Oud), Benzoin, Amber, Labdanum, Musk

My Evalution

★★★★★
ウードにバラにサフランという組み合わせなのに、ありがちなウードローズ的な香りにならないのは、きっと他の香りとのバランスがものすごく良いのだろう。それがこのサイズでこの価格で手に入るのは非常に嬉しいことだ。春から夏にかけて、昼間のお出かけでばんばん使いたい。