第356夜 Explorer 

乾燥した土の香りのかっこよさ

DATA

Name:Explorerエクスプローラー)
Brand:Boadicea the Victorious(ブーディカ ザ ヴィクトリアス
Lauched in 2008
Perfumer:John Stephen
100ml ¥24,090

My Episode

昨年の秋に伊勢丹の催事場で開催された10回目のサロンドパルファンは、ぼくにとっては出会いの多いイベントだった。
特にそれまで知らなかった魅力的なブランドもいくつかあり、それがすごく刺激的で、毎日通っても飽きることはなかった。
そんな刺激的な新ブランドのひとつがブーディカ ザ ヴィクトリアスである。2008年に創立されたイギリスのブランドで、実在したと言われる古代ケルト族の女王である「ブーディカ」から名付けられたブランド。
まず最初にぼくが惹かれたのはそのボトルのデザインだ。とにかく凝っている。いかにも古代ケルトという感じがする彫刻(ボトルに施された銅板はひとつひとつ手作りなのだとか)がブランドのユニークさを物語っている。
そして香りも非常に個性的なのが多い。
イギリスというと、ついついペンハリガンのような、カチッとした格調高い理髪店の香りが感じられる香水というイメージが強いのだが、このブーディカ ザ ヴィクトリアスの香りはどれも一癖も二癖もある。かといって、カチッとしたところがないかというと、これがまた不思議で、癖がありながらも、それなりに英国らしい格調高さのようなものも垣間見られる香りが多いように感じた。
きっとそのバラスがとても良いのだと思う。
さて、今日ご初回する「エクスプローラー」は、非常に雄々しい香りだ。乾燥した土のような雰囲気がする。
吹きたてはちょっと土の香りにシトラスのような香りがして、すっきりとした香り立ちなのだが、時間が経つにつれて、どんどん乾燥した土の様相を呈してくる。
そして、そこが非常にかっこよいのだ。
ほんのりと甘さも感じられのだが、その甘さもベタっとした感じではなく、ほのかに香る程度。
だから、夏にも最適な香りになると思う。

NOTES

Top notes:Galbanum, Bergamot, Orange
Middle notes:Amber, Orris Root, Rose
Base notes:French labdanum, Virginia Cedar
この香料一覧には書かれていないのだが、ぼくはものすごくパチョリやベチバーといった土臭さをこの香りから感じ取ってしまう。シダーがそういう香りを想起させるのかなぁ。

My Evalution

★★★★
甘さは控えめだし、かなり個性的な雄々しさだけど、たっぷりとまとったら、かっこいい男に慣れそうな気がする。非常にダンディな香りなのではないだろうか。