第358夜 Chariot

意外にもおとなしめな戦車

 

DATA

Name:Chariot(チャリオット)
Brand:Boadicea the Victorious(ブーディカ ザ ヴィクトリアス
Lauched in 2015
Perfumer:unknown
50ml ¥24,090

My Episode

昨年伊勢丹のサロンドパルファンで初めて知ったブランドの香水はウード系の香水も多数作っており、それだけでもぼくの鼻腔はヒクヒクと興奮していた。
ウードというと、強烈な個性を放つ重い香りというのが一般的な認識だし、実際にそういう香りが多いのだが、実は他の香りを支えるようなベースノートとして使われると、それほど個性を主張しないことも多々ある。
今日ご紹介する戦車という意味の「チャリオット」もそんな、どちらかというとウードが目立たない香りである。
これにウードが入っているということは、よっぽど鼻が利く人か、あるいはウード狂の人しかわからないんじゃないだろうか?それほどまでにウードはわき役に徹している。
しかし、時間が経つにつれてだんだんとベースに潜んでいる香りたちが顔を出してくる。その過程が非常に面白い香りだ。

NOTES

Top notes:Red Berries, Black Currant, Apple, Lime, Bergamot
Middle notes:Rose, Nutmeg, Cardamom, Cherry Blossom, Ylang-Ylang, Freesia, Jasmine, Neroli, Tuberose
Base notes:Agarwood (Oud), Vanilla, Benzoin, Saffron, Sandalwood, Musk, Patchouli, Moss, Papyrus, Cedar

トップが非常に爽やかですっきりと軽めなのは、レッドベリーやブラックカラントといって果物系の香りばかりだからなのだろう。
なので、戦車というイメージからは少しかけ離れている印象を持つ。だが、戦車としての真価を発揮するのはミドルからラストにかけて。どっしりとした香りが肌に残ると、戦車の重みを感じる。だが、勇ましさはないのがぼくにはちょっと拍子抜けだった。

My Evalution

★★★
名前の先行イメージがあるからなのかもしれないが、もっともっとウードを前面に出してイケイケな香水に仕上げて欲しかったというのが勝手な希望。