第365夜 as emotions go

雄々しくてアニマリックな香り

DATA

Name:as emotions go
Brand:KOHSHI
Lauched in 2021
Perfumer:Matsuno Hidenori(松野 秀至)
50ml ¥18,700

My Episode

2022年に開催されたサロンド・パルファンは、事前情報から、ウード系の香水がたくさん登場することは知っていた。
フエギアやゲランからもウード系香水が出るし、他にもいくつかのブランドで気になるウード系香水があった。だから覚悟はしていたのだが、蓋を開けてみたら、ぼくが事前に入手していた情報よりもはるかに多くのウード系香水が登場し、ぼくの鼻腔は会期中ずっと狂喜乱舞していた。
そんなぼくの鼻腔を特に刺激したのが「KOHSHI」だった。何よりも驚いたのが調香師が日本人の方であるということ。今まで何人か日本人の手掛ける香水を試したことがあるのだが、どこか日本人らしい穏やかさが感じられて、ぼくには物足りないものも少なくなかった。だが、KOHSHIの香水はそんなぼくの「日本人の手掛ける香水は控えめ」という先入観を一変させるものだった。
とにかく、どの香りも個性的だし、妥協をしていない様子がちょっと肌に載せただけでもわかる。
もちろん、その時点で51種類も並べられていたので、比較的香水になれていない人でも使うことができる軽めの香りもあるのだが、でも、一癖も二癖もあるような香りの方が圧倒的に多かった。
今日ご紹介する「時の過ぎゆくままに」という意味の香水も、そんな癖のある香りだ。
まず肌載せした時に感じたのがアニマリックな香り。
これは、好き嫌いがはっきりとわかれるんじゃないだろうか?
獣臭がトップでするんである。
しかもそれがさらにレザー感も伴って、ますます癖が強くなってくる。
だが、ミドルからラストになるとその癖がぐんと肌に馴染み、柔らかくまろやかに変化するところがこの香水の面白さ。
トップだけで判断せず、しばらく肌で温められてからの香りを試して欲しい香りだ。

NOTES

Top notes:Orange,Pine needle,Mandarine,Ginger
Middle notes:Neroli,Rose,Spike,Lavender,Green Tea,Narcissus,Galbanum
Base notes:Agarwood(Oud),Black Musk,Labdanum,Leather,Sandalwood

ミドルから深みが増してくると、お茶の香りが非常に感じられるようになるのだが、グリーンティーというよりもぼくは中国茶(ラプサンスーチョン的なスモーキーな香り)のような印象を持った。

My Evalution

★★★★
トップから感じられる獣臭さをどこまで受け入れられるか、でこの香りに対する評価が変わってくると思う。