トップから感じる光と陰

DATA
Name: A' Grazia(ア・グラツィア)
Brand: Nobile 1942(ノービレ1942)
Lauched in 2023
Perfumer:Miguel Matos
75ml ¥23,100
My Episode
2024年の夏、以前にもこのブログでご紹介したことのある「La Danza delle Libellule (トンボのダンス)」が日本で再販されることを知り、ぼくは狂喜乱舞した。実は、この香水、10年ほど前は阪急メンズ館に置いてあり、そこでぼくもこの香りを知って一鼻惚れをしたのだが、いつのまにか日本での取り扱いがなくなってしまい、販売代理店の仲良くなったスタッフに何度も何度も「再販して!」とお願いしていたのだ。その甲斐があってか、2024年の夏に無事に日本にまた入ってきて、これで心置きなく使うことができる!と喜んでいた。
1001perfumenights.hatenadiary.jp
そうしたら、その香水の再上陸とほぼ同じタイミングで、なんと、新作も3本入ってきたのである。それがI Rituali(儀式)シリーズである。
「トンボのダンス」のおかげで、すっかりノービレ1942のファンになったぼくは、鼻息も荒く、この香りが発売されたと同時に阪急メンズ館に急いだ。
そして、3本を試してみたのだが、どれもが本当にシリーズ名の通り、神聖なお香のような香りで、その場で3本まとめて購入したくなるほどだった。
でも、限定品ではなく、通常品として取り扱いはあるというので、いっぺんに買うのではなく、一本一本とじっくりと向き合うために、少しずつ買い集めていくことにした。でも、どの香りも夏につけたいと思ったので、結局2024年の夏中に揃うことにはなったのだけれども。
3本買うことは決まったら、今度は「どれから買うか」というのが問題になってくる。それはじっくりと吟味していった。
で、最終的にぼくが選んだのは「A'Grazia」だった。
「トンボのダンス」が昼間の香りだとしたら「A'Grazia」は夜の香りという感じがして、このふたつで2024年の夏を彩ろう!っていう気になったのだ。
でも、改めてこのブログを書くにあたって肌載せしてみたのだが、これは夜だけではなく、昼間も使える香りだという気がした。
そして、一番ぼくが感じたのは、これは確実に除湿系香水だということ。
ぼくが最近頻繁にSNSなどで言っているのだが、夏の湿度を少しでも下げてくれそうな香りのことを除湿系と呼んでいる。主に乾燥した木の香りとか、お線香のような香りのことを言うのだが、このA'Graziaはまさにそんな感じ。
そして、この香りの面白いところは、吹きたてのトップは爽やかなベルガモットの香りを含んだ明るめの香りなのに、肌に載せた瞬間にすぐに聖なる木の香りが漂ってきて、肌の上で温まると、すぐにウッディな香りが立ち上ってくるところ。それも、他にあまり感じることのない、独特の乾いた香りを持っているのだ。
例えば神社とかお寺などで焚かれる香木のような感じ。それも、面白いことに、アンバーのような甘さではなく、もっとドライ。辛いとまではいかないけど、トップからミドルにかけては甘さはあまり感じられない。だからこそ、除湿系と感じられるのかもしれない。
ところが、ミドルを過ぎたあたりから、今度は甘さが出てくるのだ。木の香りを伴った甘さでもあるので、ベタベタ感はないのだが、でも、その感じがまた良い。
イタリアのブランドの香水が好きなのは、独特の光と陰を感じるから。割とコントラストがはっきりしている香りが多い気がする。このA'Graziaにしても、肌に載せた時に、明るさとその奥に潜む暗さというか、静けさのようなものを感じる。
あぁ、ぼくはそういう二面性のある香りが好きなんだなぁと改めて感じさせてくれる、そんな香水だ。

NOTES
Top notes:Rose Oxide, Cumin, Davana, Bergamot
Middle notes:Cypriol Oil or Nagarmotha, Chocolate, Rose
Base notes:Leather, Sandalwood, Amber, Raspberry, Musk, Vanilla
香りの構成を見て思ったのだが、トップのクミンがあの独特のお線香のような香りを連れてくるのではないだろうか。ダヴァナはグリーンという印象があるみたいだけど、ぼくの肌の上ではあまりグリーンは出ない。
My Evalution
★★★★
とにかく夏にばんばんつけたい。蒸し暑い時期につけると、肌の上ですぐに除湿が始まり、湿度に弱いぼくを癒してくれるに違いない。さらにこれは神聖な儀式に使われていたということで、そんな雰囲気も感じられて、気分も良くなる。
日本の公式サイトには香水の背景の物語が記されているので、気になる方はぜひチェックしてみて欲しい。ますますこの香りが気になるだろう。
ちなみに、このI Rituali(儀式)シリーズの香水には手作りのモチーフがついているのだが、このA'Graziaについてきたモチーフはナポリの街のあちこちで見られるというハート型のチャームです。なんと手作りのチャームなのだそうで、これもまたお守りとして香水と一緒に大事にしまっておきたい。
