第431夜 Castelli Di Sabbia

甘スパイスを感じて

 

DATA

Name:Castelli Di Sabbia
(カステッリ・サッビア-砂の城-)
Brand:Nobile 1942(ノービレ 1942)
Lauched in 2020
Perfumer:Christian Carbonnel
75ml ¥28,600

My Episode

10年ほど前に有楽町の阪急メンズ館で「トンボのダンス」と出会ってから、ずっと好きだったノービレ1942の新作は全部で4本。どれもぼくの好みで、4本すべて買うことは決定したものの、「何から買うか」というのが問題となったという話はすでに書いた。
1本目は「コローレヴェント」と決めていたのだが、2本目をどうするか、実は結構悩んだ。好みとしては、この「Castelli Di Sabbia」はトップから大好きな甘いスパイシーな香りで良いのだが、香りそのものが非常におとなしいというか、トップはあんなにスパイスなのに、それがあまり長続きせず、これって本当にパルファムなの?って思うほど肌に馴染んでやさしくなるんである。
特にぼくは体温が高いせいか、わりと香りが飛びやすい。時々香りが行方不明になってしまうこともあるほど。
この「Castelli Di Sabbia」も、担当スタッフが「ケンさんには少し物足りないかも」と心配してくれるほど。そんなときは、たっぷりと纏えば無問題!とばかりにたっぷり纏ってみても同じなんだけど、でも逆に拡散しない香りでもあるから、使いやすいのでは?という気持ちになった。
肌に鼻をくっつけてやっと香る。
でも、それだけ親しい人にだけ香る香りとしてこの香りはアリなんじゃないかって思ったからこのシリーズの2本目としてこれを選んだ。
そして、これが大正解。
もうね、とにかくね、トップのデーツの濃密でフレッシュな甘さと、シナモンのスパイスが見事で、それが今度肌に浸透して、毛穴から直接漂ってくる感じがするんである。この香り、ぼくにとっては非常にエキゾチック。デーツってあまり日本ではなじみのない果物だから余計にそれがそういう気持ちにさせるんだけど、でも、その異国な感じがとてもユニーク。そして、ノービレらしい個性も感じられる。なんというか、あまり他のブランドではこういう香りを作らないよね?というような重厚感のようなものもあるのだ。しかも、その重厚感が明るめというか、軽めというか。軽くて重厚感があるって、矛盾しているように思えるけど、でも、重ったるくないけど、しっかり香るという意味ではこの香りはその矛盾を見事に表現しているような気がする。
この香りのサブタイトルは「砂の城砂の城というのは、波によっていつか崩れ去ってしまうもろいもので、この香りの静かなスパイシー感はまさにそんなもろさを象徴しているようで、そう考えると、この香りとの向き合い方がまた少し変わって来るんじゃないかって思えた。

NOTES

Top note:Dates
Middle notes:Cardamom, Cinnamon, Black Pepper
Base notes:Cypriol Oil or Nagarmotha, Musk, Vanilla, Cedar, Vetiver

シナモンはミドルからになっているけど、トップからしっかりとシナモンのスパイシー感は感じられる。そして、意外にも明かされている香料としては普通に香水で使われるものばかりでそれがこんなに個性的な香りに仕上がるのは、やはり調香師の手腕によるものなのだろう。

My Evalution

★★★★

トップのスパイス感がもっと持続すれば間違いなく★5つになったと思うんだけど、そこだけがちょっと物足りない。でも、全体としてはとても良くまとまっていて、比較的纏いやすい香りなんじゃないかって思えた。