第27夜 El Mono de la Tinta

タイトルの妙

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DATA

Name: El Mono de la Tinta(エルモノデラティンタ)
Brand:Fueguia 1833
Lauched in 2010
Perfumer:Julian Bedel
30ml ¥17,600

My Episode

ある日、フエギアに遊びに行った時のこと。
店長から、「ケンさんにぴったりの香りが入荷したの」と言われた。
それがこの香りだった。
しかし、実際にムエットで試してみると、良くわからない。ぼくの好みを良く知っている店長がなぜこれをぼくに勧めたのか。
悪い香りでは全然ない。むしろ好きな方だ。ちょっとエキゾチックで、スパイスも感じられるし、ほんのりと甘さもどこかに控えている。そんな感じがする。
しかし、だ。どこがどう「ぴったり」なのかわからなかった。
そうしたら、ヒントは名前にあるという。
「エルモノデラティンタ」
日本語に訳すと「インクを飲む猿」という意味。
ええっ!?とびっくりした。
確かにぼくは申年だし、万年筆インクのプロデュースもしているし。
それからぼくはこの香りがすっかり好きになってしまった。
(つまり単純な人間なのである…笑)
それにしても、なんて名前なんだ。インクを吸う猿だなんて!
と思って調べてみたら、インクを飲む猿というのは、調香師でもありフエギアの創始者でもあるジュリアンが敬愛するラテンアメリカの偉大なる文学者ボルヘスの寓話に出てくる空想上の動物なのだとか。
この香りのどこがどうインクを飲む猿なのか、凡人であるぼくには想像もつかないのだが、でもだからこそ、フエギアの香りは面白いのだ。
だから、ぼくは良く自分のプロデュースしたインクを販売するイベントなどに参加する時にはこの香りを纏うことが多い。
だって、インクを飲む(飲まないけど)猿なんだもん!笑

NOTES

Tonic note: Copaiba
Dominant note: Amyris
Sub Dominant: Nutmeg

この香りは非常に個性的だ。スパイスの中に甘さも感じられるんだけど、その甘さというのが、ちょっと湿り気のある甘さ。きっとこれがインクの水分なのかなという感じがする。

My Evalution

★★★

純粋にこの香りが好きか、と問われたら、微妙と答えるに違いない。名前がここまでドンピシャじゃなかったら、選ばないかもしれない。ただ、肌に載せた時の感じは悪くないので、嫌とか拒否反応を示すとかいう感じでは、もちろんない。