第28夜 Dunas de un Cuerpo

セクシーな香りの極みへ…

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DATA

Name: Dunas de un Cuerpo(肉体の砂丘
Brand:Fueguia 1833
Perfumer:Julian Bedel
30ml ¥18,700

My Episode

この香水には思い入れがある。
3年ほど前、ぼくは8年ぶりに恋に落ちた。
相手はぼくよりも年下で、地方在住。
身体を鍛えるのが好きで、とてもセクシーな体をしていた。
そして、もちろん、顔も性格もぼくのタイプだった。
しかし、自営業をしているし、フィジーク系の大会などにも出ていたし、遠距離ということもあって、会うのは数ヶ月に一度、という感じだった。
それでも、彼が時間のある時や地方の大会に出るときなどはぼくはいそいそとスケジュールを合わせ、彼の車で大会の応援に行ったり、軽く食事をしに行ったりしていた。
ある時、そんな彼が言った。
「ケンさんが帰った後、車の中にケンさんの香水の香りが残るんですよ。そうすると、やられたって思います」と。
つまりぼくがいなくなっても、その残り香のせいでまだぼくがそこにいるような気持ちになるのだとか。
それを聞いたぼくはとても嬉しく思った。
だって、その時ぼくがつけていた香水がこの「Dunas de un Cuerpo」だったのだから。
日本語に訳すと「肉体の砂丘」。
その名のとおり、非常にセクシーな香りなのだ。
だから、彼にそういう印象を植え付けるにはもってこいだった。
彼と会う時は、必ずこの香水を纏う。
そう決めていたし、例えば、彼に会うたびにぼくは手紙を書いていたんだけど、その手紙に吹き付けるのもこの香水だった。
きっと彼の住む地域ではフエギアをつけている人はいないだろうし、サービス業の彼の周りで香水そのものをまとう人はいないだろうから、きっとこの香りはかなり彼に何かしらの刺激を与えたのではないかと思っている。
コロナになって、なかなか会うことができなくなり、今はたまに連絡をする程度の関係になってしまったけれども、ぼくもこの香りをまとうたびに彼のことを思い出すだろう。
これから彼とどうなるかどうかはさっぱりわからないけれども、だからこそこの香りに封じ込められた特別な想いというのは、より強くなるような気がする。
そして、そういう香りがひとつぐらいあっても良いのではないだろうか。
そんな気がしてならない。

NOTES

Tonic note: Oud
Dominant note: Olibanum
Sub Dominant: Sandalwood

これもまた、ウードの香りだ。ウードというのは、やはり性的な印象を相手に与える香りなので、まさにこの肉体の砂丘にぴったりなのではないかと思う。そして、この香りは非常にスパイシーだ。甘さのあるスパイスを感じる。シナモンとは少し違って、クローブに近いスパイス。そこがアクセントになっている。非常に高級感溢れる濃い香りで、そういう香りが好きな人を虜にする魅力を兼ね備えた香りと言えよう。

My Evalution

★★★★★

この香水はワンプッシュしただけで、なんだかその空間が特別な何かに変化したような感じがしてしまう。何が原因なのかはわからないけれども、ちょっとの量だけでトリップできる魔性の香りなのだ。