第145夜 Moonlight Patchouli

フラワリーなパチョリ

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DATA

Name:Moonlight Patchouli (ムーンライト・パチョリ)
Brand:Van Cleef & Arpels
Lauched in 2016
Perfumer:Sonia Constant


My Episode

パチョリはぼくの中では土臭くて重い香りという印象が強い。
だから、例えばぼくが世界で一番好きな「バラ泥棒」(ラルチザンパフューム)なんかもバラの香りを極限まで押さえ込むような土の香りが大好きだから、バラバラしいのが苦手なぼくにはたまらない香りになっている。
ぼくにとってパチョリというのは、雄々しい香りであり、どんなにフラワリーな香りであったとしても、それを帳消しにしてしまうほどの威力を持っている香料でもある。
しかし、今日ご紹介するムーンライト・パチョリはそんなぼくのパチョリの概念を根底から覆すものだ。
なんと、フラワリーさがパチョリの土臭さに勝っているのである。
ぼくの肌の上に載せると、トップからパチョリの力強さをそんなに感じることができない。一瞬パチョリの香りが鼻をかすめるのだが、すぐにフェミニンな花の香りが立ち上ってくる。かすかな甘苦い香りも感じることは感じるけれども、そういう香りもすべて花の香りの引き立て役でしかない。
そこがこの香りの良さなのかもしれないけど、パチョリの重さが好きな人にはちょっと残念な印象だろう。
調香師はぼくの大好きなソニアなんだけど、彼女の繊細さが出ているものの、繊細過ぎるためにぼくには合わないという印象。
月光とパチョリという組み合わせのネーミングに惹かれたけれども、それだけにちょっと残念感が大きいかもしれない。

Note

Top notes: Patchouli Leaf, Cacao, Woody Notes
Middle notes: Bulgarian Rose, Iris Flower
Base notes: Suede, Leather, Fruity Notes

花の香りはミドルノートになっているが、トップからすぐに花が主張している感じがする。でも、20分ほどすると、レザーやスウェードの香りも感じられる。しかし、やはりメインは花だ。そこを受け入れることができるかどうか、というところだろうか。

My Evalution

★★★

基本的にソニアの香りは大好きなんだけど、すべてがOKというわけではないんだなということがこの香りでわかった。