第184夜 Emblem Intense

白い山に漂うスパイシーな香り

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DATA

Name: Emblem Intense
Brand: Montblanc
Lauched in 2014
Perfumer: Sonia Constant

My Episode

ぼくのことを知っている人は、ぼくはどちらかというと、香水の人、というよりも万年筆インクの人、という認識の人が多いと思う。
ぼく自身も、だから、文房具屋さんにいることの方が、香水屋さんにいることよりも多い。
でも、ひょんなことから、文具系のお店なのに、香水と出会ってしまうということもある。
モンブランのこの香りもそう。
モンブランの銀座ブティックは新作のインクが出るたびに遊びに行くお店なのだが、この日も新作のインクが発売されたというので、遊びに行った。で、お目当てのインクは買ったのであるが、店頭に香水のボトルが並んでいることに初めて気づき、お店の方に全種類を試させてもらったのである。
でも、正直内心は期待していなかった。
モンブランの香水なんて、どうせ大したことないだろう、とタカをくくっていたのだ。
しかし、ぼくの鼻腔はある香水でヒクヒクと反応をした。
それがこの「エンブレムインテンス」だった。
スパイシーなのに、深みや甘みも感じられる、意外にも複雑な香りだったのだ。
え?ちょっと待って!何?この香り…。と戸惑いすら感じてしまった。
まさか、モンブランでこんな良い香りが出ているなんて、想定外だったから、鼻の穴とともに、混乱してしまったんである。
モンブランの香水は取り扱い代理店が筆記具とは違い、ブルーベル(今はラルチザンやペンハリガンなどを扱っている)が担当しているということもあり、ぼくがいつもお願いしているモンブランブティックの店員さんはそこまでこの香水に詳しくはなかったのだが、それでも、ぼくはこの香りが非常に気に入ったので、お迎えすることにした。
そして、改めて家に帰って調べてみたら、なんと調香師がぼくの大好きなソニア姉さんだったんである。
ソニア姉さんといえば、エラケーなどでも素晴らしい香水を作っている美人調香師さんだ。

ええっ!と本当にびっくりした。
ぼくの鼻はやっぱり自分の好みに忠実なんだなって思った瞬間でもある。

この香水をインスタのライブで紹介したところ、なんと、あのニブシェーパーの方がこの香水を買われたのだとか。
普段あまり香水をつけそうにもない紳士までも魅了する香り。

これを機に、文具好きの間でも香水好きを広めたいと改めて思った次第である。

Note

Top notes: Cardamom, Clary Sage, Grapefruit, Coriander
Middle notes: Cinnamon, Rose, Apple, Violet Leaf, Nutmeg
Base notes: Tonka Bean, Suede, Patchouli, Woody Notes

トップの香りは非常に柑橘系なのだが、それほど柑橘系らしくはなく、だから、柑橘系が苦手なぼくでも受け入れることができるのだと思う。

My Evalution

★★★★
特に夏につけるとさっぱりして良い。さらに時間が経つとパチュリとかスエードの落ち着きが出てくるので、そこが非常に面白い香水だと思う。