第74夜 Mousse de Chene 30 Amsterdam

湿度に似合うすっきり系の香り

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DATA

Name: Mousse de Chene 30 Amsterdam (ムース ド シェーヌ30)
Brand: Le Labo
Launched in 2017
Perfumer: Daphne Bugey
50ml ¥38,500

My Episode

ルラボが毎年9月に世界のルラボ店舗とオンラインで購入できる世界の都市をモチーフにした香水シリーズ「シティエクスルーシブコレクション」のことを知ったのは昨年の9月のこと。
インクにせよ、万年筆にせよ、限定ものに弱いぼくは、どうしても試したくなり、9月のまだ残暑の厳しい頃に日本橋三越店に行き、そこで全種類を試したのち、その足で、在庫が残っている代官山店に向かった。
すでに昨日ご紹介したマイアミをモチーフにした「タバック28」を購入することは決定していたものの、まだ何か一本欲しい気がしてならなかった。
というのも「タバック28」はあまりにもぼくにありがち過ぎるために、なんだかもう少しひねった、ぼくがあまり買いそうにない香りを欲しい気がしたのだ。
(いや、もう、それだけで感覚が変なのは自覚しているのだが…)
他にも色々と気になる香りはあった。
例えば、香港をモチーフにした「ビガラード18」とか、ドバイを舞台にした「キュイール28」、ロンドンの「ポワブル」、パリの「バニラ44」などだ。
しかし、どれもなんだかぴんと来ない。
いずれの香りも、きっといつか自分は買うだろうという予感を抱かせる香りで、意外性のようなものがなかった。
かといって他の香り「シトロン28」や「リメット37」などは柑橘系なので、縁遠過ぎてまず手が出ない香りだし。
だったら、無理して買うことはないと思いつつも、一つの香りがどうしても気になってしまった。
それが「ムース ド シェーヌ30」だった。
トップは柑橘系の中にスパイスが潜んでいて、非常にすがすがしい香りで、これはぼくの好みとは少し離れている。
ところが、9月のまだ湿度の高い時の汗ばんだ肌に載せると、そのトップの香りは深みのある香りに変化するのだ。
この香りはシングルノートなので、トップ、ミドル、ベースという区分がないのであるが、肌の上での変化は少し感じられて、そこがぼくには惹かれたのである。
ただ、肌寒い時期に肌に載せると、キーンとした香りが鼻についてしまうので、ぼくは冬よりも夏に纏いたい香りと言えるだろう。

NOTES

Oakmoss, Patchouli, Pink Pepper, Woody Notes, West Indian Bay, Cinnamon

この構成を見ると、中に柑橘系は入っていないのに、これだけ爽やかな香りというのはなかなか面白いと思う。

 

My Evalution

★★★

昨日の「タバック28」は年間を通じて纏いたい香りだが、この「ムース ド シェーヌ30」は、冬よりも夏の方がぼくの肌には合う気がするので、必然的に使用頻度が減り、それが評価につながるのだ。