第185夜 Double Vanille

甘くて煙い至福の香り

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DATA

Name: Double Vanille
Brand: Guerlain
Lauched in 2007
Perfumer: Jean-Paul Guerlain
75ml ¥35,200

My Episode

ゲラン→ミツコ→おふくろの香り→「おふくろさんよ」→森進一

という連想をしてしまうので、ずっとゲランは敬遠していました。
しかし、ゲランのウードで初めてゲランを手にしてから、少しゲランの見方が変わったのでした。

あら、ゲランもやるじゃない?的な(ごめんなさい、上から目線で)感じです。

今年に入って、ゲラン好きの人たちとお会いする機会に恵まれ、その影響でゲランのブティックにしばしば遊びに行くようになったのですが、その時にぼくがひと鼻惚れしたのがこの「Double Vanille」でした。
たまたま同行したゲラン好きの人たちもこの香りは必須!と言っていて、ぼくも期待に鼻の穴を膨らませてムエットを試してみたら、もう一発でやられました。
あぁ、なんでぼくは今までこの香りを知らなかったんだろう?
というほどの衝撃。
ヴァニラの香り、基本的に大好きなんです。
甘ったるい香りなんだけど、許せちゃうの。ヴァニラの香りは。
なぜなら、甘さに隠れて、ひそかにスパイスが見え隠れするから。
そして、ヴァニラって実はものすごくオリエンタルだと思っている。
特にスパイスを隠し持っているヴァニラはね。
そして、この「ドゥーブルヴァニーユ」はまさにそんなヴァニラ。
単なる甘いだけじゃない。
単に煙たいだけじゃない。
単に辛いだけじゃない。
それらすべてが見事なバランスで次々と顔をのぞかせる。
そんな印象。
洋酒のようなまろやかさもあるし。
あぁ、こういう香りがぼくは本当に好きなんだなぁと心から思える香りって、実はそうそうないんじゃないか?と思っている。
恐るべし、ゲラン!
かくして、ゲラン=森進一の印象は払拭されつつあるのであります。

(まだ完全に消えたわけではないけど)

Note

Top notes: Incense, Pink Pepper, Bergamot
Middle notes: Cedar, Ylang-Ylang, Bulgarian Rose, Jasmine
Base notes: Vanilla, Benzoin

ベースのヴァニラがとにかく最初からがっつりと感じられる。その潔さが好き。そしてその甘さもべったりとした表面的な甘さじゃなくて、いくつもの甘さの層が積み重なっているような印象。
いろんな表情の甘さがこの独特の甘さを作り出しているんだなというのがわかる。
そこが「ドゥーブルバニーユ」の特徴なんじゃないかと思う。

My Evalution

★★★★★
夏はちょっと重いかしら?と思ってしまうけど、スモーキーな雰囲気もあるので、少し除湿効果ありそう。でも、やっぱりこの香りが本領を発揮するのは恐らく秋から冬にかけて。これからの季節が本当に楽しみなんである。