第275夜 Fleur du Désert

砂漠を旅するキャラバンがみつけた秘宝

 

DATA

Name:Fleur du Désert(フルール·ドュ·デゼール)
Brand:Louis Vuitton (ルイヴィトン)
Lauched in 2022
Perfumer: Jacques Cavallier
100ml ¥49,500

My Episode

ルイ・ヴィトンから新作のウード系の香水が出るらしいという噂を聞いたのは今年の春頃のことだったと思う。
しかも、それが「Ombre Nomade(オンブレ・ノマド)」、「Les Sable Roses(レ・サーブル・ローズ)」、「Nuit de Feu(ニュイ・ドゥ・フ)」に続く中東コレクションの一本として出るのだという話を聞き、ぼくはそれからずっと鼻腔がパカーンと開きっぱなし。
特にぼくが好きなのは、「オンブレ・ノマド」と「ニュイ・ドゥ・フ」なので、こういう、どっしり系のウードだったら嬉しいなと思っていた。
しかし、だんだんと情報が解禁されるにつれて、ぼくの鼻腔は少しずつ小さくなっていった。
なぜなら、どうやらお花系の香りらしいという噂が耳に入ってきたから。
お花系ウードはフェミニンになっちゃうから苦手なんだよ!もうすでにルイ・ヴィトンは「レ・サーブル・ローズ」があるんだからフェミニン系は良いじゃない!とジャックに直談判したくなった。(フランス語できないけどさ)
だからね、表参道のお店に行った時も、期待していなかったの。どうせ、おフェミニンなんでしょ?ジャスミンとか薔薇とか、そういうふわふわした香りなんでしょ?って思って、期待しないで試してみた。
そうしたら…見事に裏切られた。
だって、意外にもフェミニンじゃなかったんだもん!
というか、もちろん、ぼくの好きな「オンブレ・ノマド」や「ニュイ・ドゥ・フ」に比べれば女性的な部分はあるけれども、かといって「レ・サーブル・ローズ」ほどの薔薇薔薇しさは感じられないのだ。
びっくりした。
ムエットで試させてもらった時にも感じたけど、お花系の香りとはまた違う独特の甘さがあり、そこにほんのりとスパイスを感じるのだ。それもサフランのようなスパイスじゃなくて、もっと甘めのスパイス。
何だろうと思って調べてみたら、なんと、トップノートはハチミツとシナモンなんである。
そりゃぼくの鼻腔がおっぴろがるわけだ。
どちらも好きな香料だから。特にシナモンは粉を体中にまぶしたいくらいに好き。
つくづく自分の鼻は素直だなと思う。
具体的な香料がわかっていない時でも、鼻がシナモンをキャッチして反応しちゃうのだ。
そして、ジャスミンやローズといった香りも、ほんのりと感じるのだが、それがまったくウードを邪魔していない。ウードが中心にあって、その周りを様々な香料が彩っているという印象。
いろんな香料の後ろにウードが見え隠れしているという感じだろうか。
なるほど、ジャック、やるじゃん。また全然違うウードを作ってくれちゃって!とぼくは表参道のお店で小躍りをしてしまったんである。
で、こうなったらこれを機に中東シリーズは全部揃えちゃうか!という気になって今まで躊躇していた「レ・サーブル・ローズ」も一緒にお迎えしたのだ。
ぼくと同じ理由かどうかは知らないが、その2本をセットで購入していくお客様は多いらしい。
きっと、違うタイプの花系ウードなので、揃えたくなるのかもしれない。


NOTES

Top notes:Honey, Cinnamon
Middle notes:Rose, Jasmine, Orange Blossom
Base notes:Agarwood (Oud), Ambroxan, Ambrette (Musk Mallow)

ジャスミンもあまりぼくはなじみがない香りで、どちらかというと避けてしまう傾向があるんだけど、この中のジャスミンはほんのりとしていて、そこにエキゾチックな雰囲気もあり、とても良いアクセントになっているのを感じる。

My Evalution

★★★★★
これはもう、文句なしの五つ星。夏でも使えるさっぱり感もあって、四季を通して使いたいウードだと思う。

ところで、前にも書いたかもしれないが、ぼくはヴィトンの香水を購入する際、刻印をしてもらうのだが、絶対に自分のKENと入れるようにしている。ブランド名が目立たないから、なんだか「KEN」というブランドの香水みたいじゃない?勝手に気分が上がります!笑笑


ルイヴィトンの公式サイトにかなり詳しく香水の背景が紹介されいているので、興味のある方はぜひ!

 

jp.louisvuitton.com