第355夜 A Rose For... 

誰かのための薔薇…の優しさ

DATA

Name:A Rose For...(ア・ローズフォー)
Brand:Floris(フローリス) 
Lauched in 2016
Perfumer:unknown
100ml ¥35,200

My Episode

伊勢丹で行われたサロンドパルファン2022では、実に多くの香水との出会いがあったのだが、それまで見過ごしていた香水に気づく場でもあった。
その一つが今日ご紹介する「ア・ローズフォー」である。
フローリスはすでに「レザーウード」と「ハニーウード」というまったく別のタイプのウード系の香水を持っていたのだが、調べてみたら、もう一つ、ウードが使われている香水があるというので、せっかくだから、専属のブランドスタッフがいるサロンドパルファンで試してみようと思ったのである。
ぼくがなぜ、この香水に気づかなかったのかというと、そもそもぼくは薔薇の香りが苦手だから、「ローズ」という名前が入っているとそれだけでアウトオブ眼中になってしまうのだ。
「ふーん、薔薇ね。苦手なのよね」という先入観で試すことすらしないし、香料を調べもしない。
これは大いに反省しなくてはならない点ではあるのだが、時にはそういう薔薇をメインにした香水であっても、自分好みのものもあるのだから、これからはあまりそういう偏見を持たずに、どんどん知らない香りは試さなくちゃなぁとは思っている。
さて、この「ア・ローズフォー」であるが、ぼくが敬遠しているような薔薇薔薇しい薔薇ではないのが購入のきっかけになった。
フェミニンっぽさがあまり感じられないのだ。
マイルドな香りの中にそっとローズの香りが潜ネイルというっ感じだろうか。
タイトルに注目して欲しい。
「A Rose for...」つまり、この香水は誰かのためを意識して作られた香りなんである。
for...のあとは「Me」かもしれないけれども、「Him」とか「Mom」とか「Son」の可能性もあるわけだ。
つまり、誰に送っても受け入れてもらえる薔薇ということになるのだろう。
だから、薔薇薔薇しい印象は受けないのかもしれない。
ぼくのように薔薇が苦手な人の鼻にもすんなりと受け入れてもらえる香り。
どんな時でもふっと纏いたくなる軽やかさもある。

NOTES

Top notes:Incense, Darjeeling Black tea
Middle notes:Red Rose, Agarwood (Oud), Tuberose, Orris
Base notes:Amber, Vanilla, Cedar, Sandalwood, Patchouli
FREGRANTICAを見るまでは気づかなかったのだが、ダージリンが香料として入っていて、なるほど!これが薔薇の香りを柔らかくしているのかなと納得がいった。そして、他にもウードやパチョリといった落ち着いた香りが加わっているので、薔薇薔薇しくならないのだろう。ただ、薔薇が好きな人にはちょっと物足りないかもしれない。

My Evalution

★★★★
ウードはほんの香りづけ程度だと思うので、それほどウード感はない。でも、やっぱりベースで支えていると思うと、より一層この香りと向き合う時間が長くなりそう。ただ、時間が経つと、少し白粉っぽさが出てくるのがぼくの鼻がどう評価するか、もう少し様子を見た方が良さそう。

ところで、こちらの香水、ボックスを開けると、ペンが入っており、ラベルに相手の名前を書けるというちょっとした工夫が施されています。誰かにプレゼントしたくなるような仕様もユニークだと思う。