第330夜 Mon Numero 10

クリーミーなスパイスはいかが?

 

DATA

Name: Mon Numero 10
Brand:L'Artisan Parfumeur(ラルチザン パフューム)
Lauched in 2011
Perfumer:Bertrand Duchaufour
日本販売終了


My Episode

ベルトラン・ドショフールは、ラルチザン・パフュームにおいて、実に多くの名香を残している。ラルチザン・パフュームのおかげで、ぼくはベルトランのことを知ったし、そこから調香師を気にするようになったほど、両者の関係はとても深い。
さて、そんなベルトランはいくつかのスペシャルコレクションをラルチザンで作っているのだが、この「私の数字」と名付けられたこのシリーズもそのひとつだ。
欧米では不吉な数字とされている2と5以外の1~10までの全8つの「モンニュメロ」が作られた。
「Mon Numero10」はその最後の香水だ。
このコレクションは発売当初、販売国を限定されて、全種類は日本には入ってこなかった。しかし、一瞬だけ数量限定で、4、7、3、8が当時表参道にあったラルチザンの店舗に入荷し、さらに、その後、9と10が販売されたのである。
結局ぼくは、日本ではまず手に入らない6もネットで購入し、全種類手に入れることができた。
さて、この10は9と一緒に入ってきて、どちらにするか迷って購入した記憶がある(モンニュメロシリーズは、いつも迷いながら買ったように思う)。
この香りの一番の特徴は独特のクリーミーさだ。
非常にまったりとした香りなのだ。
でも、ぼくの苦手なグリーンはほとんど感じられなくて、もっとスパイシーで甘めなクリーム。
お菓子のような感じもするけれども、単に甘いだけじゃなくて、もっと大人っぽい癖のある甘さだ。
これがぼくがすぐに選ぶことができなかった要因かもしれない。
ただ、だからこそ、非常に印象に残った。
こんな香り、後にも先にも(今のところ)かいだことがないのだ。
ベルトランは唯一無二の香りを作るのが得意な人だと思うのだが、この香りはまさにそんな香り。
そして、この香りもシナモンをトップから感じるし、このクリーミーさが冬の冷たい空気に似合う気がするのだ。

NOTES

Top notes:Cinnamon, Cardamon, Pink Pepper, Cabreuva, Fennel, Aldehydes, Bergamot
Middle notes:Incense, Leather, Geranium, Rose, Jasmine
Base notes:Leather, Benzoin, Tonka Bean, Vanilla, Atlas Cedar, Heliotrope, Hyrax, Ambergris, Styrax, Musk

FRAGRANTICAにて公開されている香料は実に多い。
これを見ると、甘さの要因とかスパイスの元になる香りというのは想像つくのだが、クリーミーさがどこから出てくるのかが今一つわからない。ひょっとしたらヘリオトロープとかアンバーグリスがそのクリーミーさの要因なのだろう。

My Evalution

★★★★

大好き!と飛びつくような香りではないが、時々、この香りを思い出してまといたくなる、そんな香りだと思う。