第235夜 Guimauve de Nöel 31

クリスマスシーズンを彩る甘い香り

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DATA

Name:Guimauve de Nöel 31 (ギモーヴドノエル)
Brand:Parle Moi de Parfum(パルル モア ドゥ パルファム)
Lauched in 2016
Perfumer:  Michel Almairac
50mL ¥15,400

My Episode

一番好きな香水は何ですか?と聞かれて、ぼくがまっさきに挙げるのが、ラルチザン・パフュームの「バラ泥棒」である。薔薇の香りでありながらも、パチョリが効いていて、非常に雄々しくてかっこいいところがぼくの気に入った。
最初はピンとこなかった香りなのに、ひとたび虜になると、その香りの魅力から離れることができない。そんな体験をさせてくれたのは、あの香りが一番最初だ。だから、ぼくにとっては「バラ泥棒」というのは特別な香りなのである。
しかし、このバラ泥棒を作ったミシェル・アルメラックという調香師は、ラルチザンではこの香りしか作らなかったということもあり、ノーマークの状態だった。エレナとかベルトランの方がラルチザンではたくさんの香水を作っていたので、ミシェルのことはそれほど注鼻していなかったんである。
しかし、このブログでいろんな香水を調べているうちに、このミシェル・アルメラックが家族と共に自分のブランドを立ち上げたことを知り、もう、いてもたってもいられなくなった。
そして、それを知ったその足で伊勢丹の香水売り場におもむいたんである。というのも、このブランドのトレードマークを伊勢丹の香水売り場でみかけたことを覚えていたので、伊勢丹に行けば、香りを試すことができると思ったんである。
シンプルなデザインのボトルが整然と並んでいるのを見て、このブランドの雰囲気がそこからも感じられたのだが、正直に最初に一通り試した感想は意外にも「おとなしい?」というものだった。
実は「バラ泥棒」の印象が強すぎて、もう少し個性的な香りを作っているのではないかと勝手に妄想していたから。
それが、どの香りもとても静かなんである。
それほど重いという香りもないし、個性を感じる香りもなく、静かにまとまっているという印象の香りが多い。
だから、当初は非常に面食らってしまったのだ。
あれはラルチザンだからこそ冒険できたことなんじゃないか、という気もした。
自分のブランドとなると、そこまで冒険することはせず、自分の好きなように香りを作り出していくのではないかと。
でも、その中でもっともぼくが印象的だったのがこの「ギモーヴ ドゥ ノエル」だ。とにかく甘い。本当に甘い。こってりとした甘さ。
でも、それだけではなく、スパイスなども混じっている感じが良いのである。ギモーヴとはマシュマロのことで、香水名を直訳すると「クリスマスのマシュマロ」ということになる。なるほど、そういう雰囲気がすごく感じられる。
温かみがあって、包み込まれるような雰囲気。
でも、どこかオリエンタルな要素を感じるのはバニラのせいなのかもしれない。
さすがに日本では夏につけるとベタベタしてしまうかもしれないが、冬の寒い時期にぬくもりを感じたいという時にこの香りは最高なんじゃないかと思う。


NOTES

Orange Blossom,Sugar,Vanilla

FRAGRANTICAのNotesでは上記の3つの香料のみが明かされていた。いかにこの香りが甘いかということがわかるだろう。
ちなみに、香水名の後ろについている数字は製品が出来上がるまでに試作した数なのだとか。

My Evalution

★★★★
甘くて重みのある香りなので、基本的に好きなのだが、日本の湿度の高い夏には合わない気がして、その点だけが気になるので、星4つにしておく。

ところで、本国ではOudも出ているようなので、日本でも出して欲しいと思っている。日本の代理店さん、ご検討のほど、よろしくお願いします!