第213夜 Mimosa Tanneron

優しさの向こうに野性味を感じるミモザの香り

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DATA

Name:Mimosa Tanneron(ミモザタネロン)
Brand:Perris Monte Carlo
Lauched in 2020
Perfumer: Jean-Claude Ellena
100ml ¥24,500

My Episode

NOSE SHOP銀座店閉店当日、どうしても早く手に入れておきたい香水があったので、行ってしまった。それがPerris Monte Caroloの「Mimosa Tanneron」である。
都内でPerris Monte Caroloを扱っているのは銀座のみで、恐らく2月に有楽町エリアに新装オープンしたら、またそこで取り扱いがあるかもしれないのだが、それまでこの香りを待てないと思ったのだ。
春を告げる花として知られているミモザの香りの旬は2月から3月にかけて。
だから、2月に入ったら、積極的に使いたいと思っていた。
ミモザといえば、以前もこのブログで紹介したラルチザン・パフュームの「Mimosa Pour Moi」があるのだが、もうすっかり空になってしまい、さらに日本での取り扱いもなくなってしまったので、それに代わるミモザの香りを探していた。
そして、ペリスモンテカルロミモザの香りがあるのを知り、ムエットで試してみたら、まさにラルチザンのミモザに非常に近しい印象だったのだ。
ひょっとして、調香師も同じアン・フィリポ?と思って調べてみたら、なんと!ジャン・クロード・エレナでびっくりしたのだ。
そして、その時期がきたら、購入しようと思っていた矢先の銀座店の閉店のニュース。これはもう、記念という意味でも最終日に買うしかないでしょ?(笑)
目的はこの香りだけだったので、お店に入って、迷わずにペリスモンテカルロが並んでいるコーナーに直行し、まずは用意されている試香用のビーカーを鼻にあててみる。
うん、確かに野性味のある、ぼくの記憶の中に残っているミモザの香りだ。
他にお客様もいたようだし、すでにぼくは何度も試しているので、ムエットに載せることも、肌に載せることもせず、即決で購入手続きをした。
そこからが面白いのだが、いっさいぼくの身につけなかったにも関わらず、外にいる間中、ずっと鼻腔の奥の方でこのミモザの香りが残っていたのだ。
あぁ、やっぱりこれからの季節はこの花の香りだよなぁ。
なんて思いながら、過ごしていた。
ところが、帰宅して、このブログを書くために改めて肌に載せてみたら、ぼくが今まで記憶していた香りとちょっと違っていて、正直、少し面食らっている。
アン・フィリポが作ったラルチザンの「私のミモザ」の印象があまりにも強すぎて、改めて肌にこの、エレナが作ったペリスモンテカルロの「ミモザタネロン」とまったく異なることに気づいてしまったんである。
確かに、野性味という意味では、両者はとても近しい。
摘みたてのムワッとするようなミモザの香りだ。
しかし、「ミモザタネロン」の方は「私のミモザ」と比べると、非常にフラワリーな印象だ。野性味は感じられるものの、花の優しさのようなものもかすかに残る。
「私のミモザ」はもっとグリーン味が強い。さらにパチョリのような土臭さのようなものが前面に出てくる印象。
ひょっとしたら、これは街を歩いていたら、体臭などと混じって、印象が変わってくるのかもしれないが、こうなると、また「私のミモザ」を何とか入手して両者をきちんと右の鼻の穴と左の鼻の穴で同時比較してみたくなってしまう(笑)。


NOTES

Mimosa absolute,Hawthorn,White Musk,Rose

Hawthornとは、西洋山査子のこと。香りとしては甘い香りとされているようなのだが、ぼくはきちんと単体で試したことがないので、機会があったら試してみたい。

My Evalution

★★★★

ラルチの「私のミモザ」とはかすかに異なるのだが、FRAGRANTICAを見ると、「This perfume reminds me of (この香りが思い起こさせるもの)」という欄にしっかりと「ミモザタネロン」が入っているので、やはりぼくと同じように感じる人は少なくないのかもしれない。