第46夜 Empressa
柔らかなシトラスの香りに癒されて
DATA
Name: Empressa (エンプレッサ)
Brand:Penhaligon's
Launched in 2014
Perfumer:Christian Provenzano
100ml ¥24,750
My Episode
柑橘系の香りが苦手…ではあるけれども、すべての柑橘系がダメなのかというと、そういうわけでもなく、自分でも実はその基準というのが今一つわかっていないところがある。
たとえば、このエンプレッサは、トップはブラッドオレンジやベルガモット、マンダリンオレンジといった、いわゆるシトラスの王道なわけだけれども、なぜかこの香りだけはすんなりと受け入れられるのだ。
久々に雨の今日、これを纏って外出をしたのだが、肌寒いものの、少し湿度のある今日のような日に纏うと、非常に上品にこのシトラスが香り立つ。しかも、それがぼくの苦手なさっぱり爽やかなだけのシトラスではないのだ。
なんというか、ちょっとパウダリーで温かみのあるシトラス。
ウッディな感じもするし、ラストにかけてパウダリーに変化する部分もあり、そこが一筋縄ではいかないシトラスという感じがするのである。
ラストになってもシトラス感はあるのだが、それがパウダリーな香りやウッディな香りとともに摩訶不思議な世界を作り出している。
日本人好みの香りというよりも、ちょっとツウ好みというか、海外でしばしば感じることができるような香りとでもいおうか。
複雑で面白い。
そして、調べてみたら、調香師はあのChristian Provenzanoではないか!
まったく意識していなかったのだが、彼がペンハリガンで手掛けた香水のほとんどをぼくは持っているし、愛用しているのである!これは本当にびっくりした。
彼のことを初めて知ったのは、今年の1月に川崎のお店で教えてもらった彼のブランドのウード系の香水で、そのことが以前にも記事に書いているので、そちらを読んで欲しい。
1001perfumenights.hatenadiary.jp
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調香師のことを意識するようになったのは、ラルチザンパフュームと出会ってからなのだが、調香師のことを知らずに好んで使っていた香水が同じ調香師が作っていたものだと知ると、嬉しくなるし、ふむふむ、自分の嗅覚もまだまだ捨てたもんじゃないなっていう気になる。
NOTES
Top note: Blood Orange, Peach, Bergamot, Mandarin Orange, Pink Pepper
Middle notes: Rose, Dewberry, Cassis, Neroli, Geranium
Base notes: Patchouli, Brown sugar, Musk, Sandalwood, Vanilla, Cacao, Olibanum, Amber
注目すべきは、ベースノート。パチョリ、サンダルウッドといったウッディで深みのある香り。これがトップやミドルの果物系の香りと混ざり合い、独特の香りを作り出しているのだろう。
My Evalution
★★★★
ウード系ばかりを好んでいるぼくにしてみると、この香りは「軽い」し「甘い」となるのだが、フルーティー系の甘さは許容範囲だし、深みのあるベースノートとの見事なコラボレーションに高い評価をつけたいと思って★4つなのである。ちょっと今年はもっとこの香りと真剣にお付き合いをしようと思っている。