第98夜 Oud Immortel

明るく軽いフルーティーウード

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DATA

Name: Oud Immortel (ウード・イモーテル)
Brand: Byredo
Launched in 2018
Perfumer: Jérome Epinette
50ml ¥21,560


My Episode

昨日に引き続き、バイレードのウード系香水。
実は、この香水は2018年にバイレードがウードを使った香水として初めてリリースした香りなのだが、ブランド創始者のベン・ゴーラムが、一つのウードの香りを出したかったものの、試作品のどちらもが良かったので、2本同時発売となったエピソードがあるのだそうだ。
どちらか決めかねるほど良いということだから、さぞかし良い香りなのだろうと期待してしまうが、実際にぼくもこのふたつの香りは確かに甲乙つけがたいほどの魅力があるように感じた。
まずはその名前を見てると、
accord=二つのことが調和する、一致するという意味
で、昨日ご紹介したウードは直訳すると「調和したウード」ということになる。
では、今日の「Oud Immortel」はどういう意味かというと
immortel=不滅の、永遠の
なので、永遠のウードということになる。
では、この「永遠のウード」はどういう香りかというと、まず感じるのは柑橘系の爽やかな香りだ。ただ、ぼくの苦手な柑橘系オンリーではなくて、どこかスモーキーな印象のある柑橘系で、翳りが感じられる。だから、ぼくにとっては許容範囲の柑橘系と言えるだろう。
それから、この「Oud Immortel」は甘さが出てくるのだが、これが昨日の「Accord Oud」とはまったく違った甘さなのだ。
「Accord Oud」は何となく、樹液から分泌されるようなウッディな甘さが感じられたのだが、この「Oud Immortel」はウッディも感じられるけれども、もっと明るさのある香りに感じられた。
みずみずしさとかフレッシュさのあるウードを求めているのであれば、この「Oud Immortel」は最高の香りと言えるだろう。
ただ、ウード感は「Accord Oud」の方が強いような気がする。
そして、海外のホテル感があるのが「Accord Oud」で、この「Oud Immortel」にはその海外のような雰囲気はあまり感じられない。

NOTES

Top notes: Limoncello, Incense, Cardamom
Middle notes: Agarwood (Oud), Patchouli, Papyrus, Brazilian Rosewood
Base notes: Oak moss, Tobacco

「Accord Oud」と「Oud Immortel」は同ブランドから同時に発売され、さらに同じ調香師が手掛けた作品なので、どうしても両者を比較したい気持ちになってしまう。
両方を左手と右手に纏ってみると、その違いが如実にわかる。どちらもウードを使っているし、共通点もいくつかあるものの、やはり両者は似て非なるもの。
むしろ正反対でもある。
「Accord Oud」は陰、ウッディ、静寂、夜
というイメージで一方
「Oud Immortel」は陽、シトラス、明快、昼
という感じだろうか。
どちらもフルーティーなウードではあるものの、方向性が正反対なので、印象が全然違っている。
ただ、両方とも非常に品があるので、ぼくはこれを上手に使い分けたいと思うし、秋冬よりも、これからの季節にばんばん使いたいウードだと思っている。

ちなみに、Limoncelloとは、イタリアのレモンを使ったリキュールのことのようで、少しお酒っぽいとろみ感もあり、そこは「Accord Oud」のラム酒の要素とかぶるエッセンスかもしれない。

My Evalution

★★★★

実は、昨日の「Accord Oud」よりもこっちの「Oud Immortel」の方がより一般的だろう。軽さという意味でもこちらの方が軽い気がする。