第120夜 Oud Tobacco

タバコ感ゼロの甘い香り

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DATA

Name: Oud Tobacco
Brand: Montale
Launched in 2020
Perfumer: unknown


My Episode

ウード系香水のレビューを5月28日から連日掲載しており、あまりのウドウドしさにみんなあきれているのではないかと少々心配ではあるが、逆にここまでウドウドしいと、面白がってくれる稀有な人もいるに違いないと思って、今月はもう少しウドウドしい記事にお付き合い願いたい。
ちなみに、本日で千一夜香水物語、ちょうど120本目になるのだが、そのうウード系の香水は77本となり、全体の64%となる。いかに変態ブログなのかがわかる数値で、くれぐれも良い子は真似しないでいただきたい。
さて、そんな77本目のウード系香水にぼくが選んだのは、モンタルのウードタバコだ。
このタバコについて知ったのはつい最近のこと。
モンタルのことをあれこれと調べていたら、昨年この香水が出ていることを知った。
タバコとウードといえば、今までも、

モルトンブラウン「Mesmerising Oudh Accord & Gold 」
ディプティック「Oud Palao」
バイレード「Tobacco Mandarin」
バイレード「Oud Immortel」
トムフォード「Tobacco Oud」
モンタル「Wild Aoud」
モンタル「Aoud Cuir d’Arabie」
イストワール・ドゥ・パルファン「Prolixe」
ハウスオブウード「Empathy」

などをご紹介してきたが、実にタバコとウードの関係は良い。
しかし、今日ご紹介するモンタルの「Oud Tobacco」は「え?これ、タバコなの?」と首をかしげてしまうような香りなのである。
香りそのものは悪くない。
むしろ良い香りだと思う。
リキュールに似た甘さも感じられるし、ウードの重さもその中に鎮座している。
だが、タバコらしさがまったくないのだ。
たとえば、ディプティックの「ウード・パラオ」みたいなスモーキー感はほとんど感じられない。
時間がたてば、少しは煙たくなるのかなと期待して待ったが、まったく気配がない。むしろクリーミーさが強まるばかり。
蜂蜜に近いまったりとしたスウィートウードという感じだろうか。
夏よりも冬向きだ。

NOTES

Top notes:Sumac, Citruses, Cumin
Middle notes:Agarwood (Oud), Orange Blossom, Incense
Base notes:Tobacco, Tonka Bean, Agarwood (Oud)

面白いのは、ミドルノートとベースノートの両方にウードが入っていること。時間によって変化するものの、ウードだけは外せないというところだろうか。

My Evalution

★★

タバコというからにはぼくの大好きなスモーキーな要素を期待しちゃったのだが、そのスモーキーさはゼロなので、香りそのものは良くても残念感は大きい。