第99夜 Ambrarem

華やかで官能的で甘いウードの香り

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DATA

Name: Ambrarem(アンブラレム)
Brand: Histoires de Parfums
Launched in 2011
Perfumer: Gerald Ghislain
60ml ¥20,900

My Episode

【著名なキャラクター、マテリアル、および神話について語られる嗅覚のライブラリー。】というコンセプトのもと、ジェラルド・ギスランによって2000年に創設されたイストワール・ドゥ・パルファンは、肌で読む物語のように香水が作られているところが面白いです。
創設者のジェラルド・ギスランは調香師でもあり、料理人でもあるのですが、南フランス生まれのモロッコ育ちという面白い経歴を持っています。
そんなイストワール・ドゥ・パルファンからは数々のウード系の香水が出ていて、ウードを巡る旅をしているぼくにとっては、目が離せないブランドなのです。
今日ご紹介するアンブラレムは、ウード・アニマルという調香となっていて、非常に官能的なのですが、ぼくの肌の上ではとても明るいイメージです。
実は今日、母のコロナウィルスのワクチン接種があり、会場まで同行したのですが、その時にこの香りをさっと両腕とデコルテにひとふきさせたのですが、拡散性が非常に高く、ひょっとしたら会場で香りが周りの人たちに拡散されたのではないか?と不安になってしまいました。
ワクチン接種の会場につけていくには、華やか過ぎるかなと(笑)。
確かに、ベースにアニマルノートであるカストリウムがいるので、官能的なものが感じられるのですが、甘い香りが広がって、華やかな印象も持っている香りです。例えばパーティーなんかにこういう香りをつけていくにはもってこいなのではないかと思うのです。
なので、決して仕事でつけないようにした方が良いでしょう。
ウードもしっかりと感じられるのですが、それはアニマリックな香りとともに、奥に潜んでいます。長いこと肌に温められて、肌の下に潜り込んで内側から外に発散される感じとでも言いましょうか。
甘い香りに惑わされてうっかり近づいたら、官能的な気分になって、うっとりしちゃう、そんな雰囲気を持っています。
好き嫌いは別れる香りかもしれませんが、好きになると虜になっちゃう、そういう意味ではウードらしいウード系香水なのかもしれません。

NOTES

Top notes: Elemi, Pink Pepper
Middle notes: Agarwood (Oud), Iris, Saffron
Base notes: Castoreum, Amber, Vanille, Sandalwood

Castoreumとは、ビーバーの肛門近くにある一対の香嚢から得られる香料です。その香嚢の内部にある分泌物を燻したり、天日干しなどで乾かして採取されるのだとか。香水の香料を調べると、時々びっくりするような原料があるのですが、いったいぜんたい、どんな経緯でそんなところにそんな香料があることを発見したんだろう?と昔の人の香りに対する好奇心に感服せざるを得ません。

My Evalution

★★★★

癖のある香りなので、万人におすすめできるわけではないけど、明るい雰囲気が好きな人には試して欲しい香りです。