第193夜 Une Fleur d'Oranger

エキゾチックな柑橘系

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DATA

Name: Une Fleur d'Oranger (ユヌ フルール ドランジェ)
Brand: Obvious
Lauched in 2020
Perfumer: Anne-Sophie Behaghel, Amelie Bourgeois
100ml ¥17,600

My Episode

基本的に、ぼくはシトラス系の香りはつけない。
とくにすっきり爽やかなシトラス系は、ぼくの肌に載せるとなぜか苦みが出てしまうので。
特に暑い時期は汗と混じり合って、すえたような臭いに変化するような気がしてしまい、どうしても避けてしまうのだ。
実際はそんな臭いわけではないとは思いたいが、自分が一度そう感じてしまうと香りというのは敏感なものだから、拒否反応を示してしまう。
しかし、ごくごくたまに、「あれ?」と思うシトラス系もある。
それはたいてい、爽やかではない。
陰があって、どこかはかなげな香りなのだ。
そういう香りを試すと、鼻の穴が1㎜ほど大きくなる。
シトラスなのにシトラスじゃない。
そこに鼻腔が反応を示すのである。
この「ユヌ フルール ドランジェ」を試した時、まさにそんな感じだった。
名前からして、いかにも柑橘系なのだが、ムエットでかいだ時、あれ?単なる柑橘系じゃない?
となった。
ちょっとジャスミンにも似た東洋系の香りを感じたのである。
実際にはジャスミンは入っていないし、あくまでもぼくの中で感じた香りなのだが、その東洋系の雰囲気がこの香りを形作っているような気がする。
すっきり爽やかとはまったく逆の、静かで奥ゆかしい柑橘系。
陰りを感じるし、どこか寂しい雰囲気も漂う。
これは冬の寒さではどう感じられるのか、非常に楽しみである。

Notes

Top notes: Orange, Sweet Orange, Mandora ,Bergamot
Middle notes: Tunisian Neroli, Petitgrain Paraguay ,Lemon Leaf
Base notes: Tunisian Orange Blossom ,Ginger

影を感じるのはどこだろう?と思ったのだが、今のところあまりその要素の香料はみつからない。恐らく、これらの香料が絶妙なバランスで掛け合わさった時に、この儚さが生まれるのだろう。

My Evalution

★★★

正直に言うと、いくら儚げだからといって、基本はシトラスなので、自分の中ではそんなに高評価にはならない。ただ、重い香りを好んでいるので、たまにこういう対岸にいるような香りに憧れたりもする。そんな中でも自分の好みには近い、という感覚だ。

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