第468夜 Jodhpur 6AM

インドの朝食でミルクティー

DATA

Name:Jodhpur 6AM
Brand:L'Entropiste(ラントロピスト)
Lauched 2025
Perfumer:Bertrand Duchaufour
(ベルトラン・ドゥショフール)
50ml ¥39,600

My Episode

古代メソポタミア文明の都市であるバビロンから始まった千一夜サロパ香水紀行の次の場所は朝6時のインドの都市ジャドプール。

さて、それはどんな香りなのか紐解いていくことにしよう。

調香師の中でぼくが一番好きなベルトラン・ドゥショフールが自身のブランドを立ち上げて、そこから個人輸入をして恐らく日本最速のレビューを書いたのが7月のこと。日本でもどこか代理店がつかないかなと思っていたら、なんと、NOSE SHOPが名乗りを上げたらしく、サロンドパルファンで初お目見えということで、初日に早速伊勢丹メンズ館に行ってみた。
今回は50mlのみで、種類は
Altamura
Dawn Whispers
Dorian's Spleen
Jodhpur 6AM
Semece Douce
の5種類と、2mlずつ入っているディスカバリーセットだ。
Blanc Sadaは阿部定をモチーフにしているから、絶対に入ってきてほしかったのだが、今回のサロパには間に合わないようで、本発売の時に入って来るとのこと。なお、今は50mlだけだが、その時に100mlも取りそろえるということだった。

さて、ぼくはすでに3本は本国から取り寄せたのだが、じゃあ、次にサロパで何を購入しようかと考えた時、一番しっくりときたのが「Jodhpur 6AM」だ。

ジョードプルとは、インドの都市の名前である。Wikipediaによると、旧市街の家屋の壁が青く塗られていることから、ブルーシティーと呼ばれているらしい。宮殿や霊廟などもあるようで、砂漠の入り口とはいえ、なかなか魅力的な街のようだ。そんなインドの古代都市の街で朝起きて、飲む紅茶をイメージしてようなのだ。
今まで、ベルトランの香水をかなり集めてきているが、お茶をメインにした香水って、あまりないような気がして、さらにインドの都市をモチーフにしているんだったら、サロパの「旅」というテーマでもリンクするではありませんか!
もう、これは期待するしかなく、本館をある程度見て回った後、メンズ館に移動し、早速試してみたのだが、もうこれが、本当に素晴らしい香り。なんで3本と一緒に頼まなかったんだろうと後悔してしまうほど、良い。
トップはとにかくチャイ。すぐにお茶の香りだとわかる。そしてスパイシーなのだが、それもシナモンのようなスパイスとはまた少し違って、ちょっとクリーミー。さらにそのスパイスは5分ほど経つと落ち着き、今度は南国の花の雰囲気が漂ってくる。
まさ、インドのホテルのレストランで朝食を食べている時に、どこからともなく漂ってくる南国の花の香り、というイメージなのだ。
調べてみたら、これはチュベローズの香りなのだが、そんなに濃くはない。愛香家の中にはチュベローズの香りが苦手という人も少なからずいるが、そういう人でも、このチュベだったら、やさしく香るので、受け入れられるんじゃないだろうか。
そして、時間がもっと経つと、すっかり香りが肌になじみ、クリーミーな甘さが残り、スパイス感はひっそりと隠れる。でも、たまぁに、どこからから顔をのぞかせるところが面白く、この香りはそういう意味でもベルトランらしい楽しさにあふれている香りなんじゃないかと思う。

NOTES

Black Tea, Tuberose, Spicy Notes. Cardamom, Ginger, Milk, Fruity Notes

このノートを見て、フルーティーノートがあるから、いろんなとがった感じの香りが中和されるのではないだろうか?という気がした。

My Evalution

★★★★★

インドの朝をイメージした香り。もうそれだけで、ロマンティックな気持ちになれるし、実際に肌に載せると、そんな気分まで味わえちゃう。本当に面白い香りだなぁと思う。これからの季節も良いだろうし、夏の暑い時期でもインドの朝をモチーフにしているんだから、似合うに違いないって思っている。

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