第17夜 Oud Imperial

ウードの皇帝の名にふさわしい香り

f:id:happyinkdays:20210314220220j:plain

 

DATA

Name:Oud Imperial(ウード・インペリアル)
Brand:Perris Monte Carlo
Lauched in 2012
Perfumer:Luca Maffei
100ml ¥22.000

My Episode

昨年、ぼくは万年筆のインクに関する本を出版した。
編集部から企画の話をいただき、約半年強、ほとんどその本に掛かり切りの生活を送っていた。
本を作っている最中にコロナの状況が悪化し、そんな中で色々と大変なこともあったものの(取引先に連絡がつかないなど)、何とか無事に出版することができて、ほっとしたのが6月に入ってからだった。
そんな自分にご褒美をあげようと思って向かったのが銀座のNOSE SHOPだった。このNOSE SHOPの存在はすでに知ってはいたものの、なかなか中に入る勇気がなくて、それまでは一度も行ったことがなかったのだが、2月にたまたま香水好きの子に新宿店に連れて行ってもらい、あまりにもそれが楽しかったので、今度は一人で銀座店に行こうと思い立った。
噂によると、都内の他の店舗と比べると、銀座だけあり、かなりマニアックな香水が置いてあるとのことだったので、期待して行ったのだ。
そうしたら、もう、それが大正解。
ぼくがウードが好きだと言ったら、対応してくださった店員さんもウード系の香水が好きだとのことで、二人で大盛り上がりをしながら、次々と店内にあるウード系香水をいくつか試させてもらった。
その中でぼくが一番心惹かれたのが、この「OUD IMPERIAL」だった。
ウードの皇帝という名にふさわしいほど、どっしりとしていながらも、存在感のある香りなのだ。ゴージャスという言葉だけでは語りつくせないほどの圧倒的な何かを感じさせる香り。カリスマというと非常に大げさに聞こえるかもしれないけど、とにかく、それぐらいのインパクトがあった。
もちろん、ベースにあるのはウードなんだけど、単なる重苦しいウードでもないし、レザリーでもないし。スモーキーで、華やかで、ウードという何ともいないくらいの強烈な印象をぼくに残し、この香水をお迎えすることにしたのだった。
Twitterによれば、この香水を購入したのは2020年の6月11日のこと。その時に対応してくださった店員さんとは今でも仲良しで、彼女は都内の別の店舗に移動になったけれども、そこにも遊びに行くようになり、今でもお世話になっている。
こういう香りを通しての人との出会いというのもまた香り選びの上ではとても大切で、それもまたその香水に対する愛を深めてくれるんじゃないかとぼくは思っている。
香水というのは目に見えないだけに、そういう自分なりの思い出だとか、人とのつながりだとかと密接に関連していて、そういうことをこれからも大事にしたいと思うし、「ウードインペリアル」を纏うたびに、その時の想いも一緒によみがえるところがまた香水の面白味なのではないだろうか。


NOTES

Top notes:Caraway, Jasmine
Middle notes:Agarwood (Oud), Incense, Patchouli, Saffron
Base notes:Blackwood, Labdanum, Vetiver, Sandalwood, Cedar

この調香を見ると、レザーやローズといったウードと組み合わせがちなものはなく、パチュリやお香といった香りがメインで、これがこの香りをより華やかな印象にしているんじゃないかと思われる。

 

My Evalution

★★★★

この香り、本当に大好きで良くつけるんだけど、あまりにも存在感がありすぎるので、ちょっとそれがヘビーに感じてしまうこともあるかもしれない。そういう意味で★4つ。