第92夜 Oud Satin Mood

許せる甘めウード

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DATA

Name: Oud Satin Mood (ウード・サテン・ムード)
Brand: Maison Francis Kurkdjian
Launched in 2015
Perfumer: Francis Kurkdjian

My Episode

ウードが好きという話をすると、何人かの人たちから「クルジャンのウードとか?」と聞かれた。ウードのことは良く知らないけど、フランシス・クルジャンからウードが出ていることは知っている。という人が意外と多いのではないだろうか。
しかし、残念なことにぼくは何度試してもクルジャンのウードだけは受け入れられないのだ。
肌に載せるとだんだん気分が悪くなってくるというか。
あまりにもフラワリーで、ウードがほとんど感じられず「ウードっていうんだから、花はいらねぇんだよ!ウードくれよ!ウード!」と何度発狂したくなったことか。
あまりにもいろんな人がクルジャンのウードについて試した?って聞くものだから、ぼくもみかけるたびに「ひょっとしたら今度こそは…」とトライするのだが、やはりだめはものはだめ。
昨年の秋口にクルジャンからコフレが出て、その中にウードの別バージョンがあると聞いていたので気になっていた。別件で銀座シックスに行った時に試すことができたので、その時に恐る恐るコフレに入っている日本未発売のウードを試してみたら、意外や意外、そっちのウードは許せるウードだったのだ。
だが、その一本のためだけにコフレを買うのはちょっとリスキーだったので、その時は我慢をして買わないでいた。
そして、今年に入ってからネットで調べてみたら、海外からの発送で購入することがわかったので、ついついふらふらと購入してみたのが、この「ウード・サテン・ムード」だ。
実はコフレに入っていたのはエキストラというもうワンランク上のものだったのだが、そちらはさすがに高級過ぎたので、普通バージョンの「ウード・サテン・ムード」にしてみた。
早速、昨日一日これを試してみたのだが、通常の「ウード」のような吐き気を催すほどの香りは少ない。
フラワリーはフラワリーなのだが、バニラのような甘さが感じられて、なかなか良いのである。ぼくがコフレで確かめたのも、こういう印象だったので、エキストラじゃなくても十分楽しめる香りなのかもしれない。

悪名高き「世界香水ガイド3」(ルカ・トゥリン タニア・サンチェス著 芳山むつみ訳 原書房刊)によると、この「ウード・サテン・ムード」は次のように書かれている。

なかなか興味深い失敗作。アーモンドビスケット風のグルマンとフルーティなグリーン ローズが調和していない。ローズエッセンスのクオリティが良いだけに、その華やかさが仇となり、ちぐはぐな香りしかしない。失礼だけどウードは入っているのかしら?=TS

そして、星は当然のことながら、ひとつだ。

確かにウードの香りはほとんどしなくて、クルジャン、本当はウードはあまり好みではないのではないか?と勘ぐってしまうほど。
だが、同書の通常の「ウード」はさらにこんなことが書かれている。

ラベルの記載が間違っている。ぼんやりしたフルーティなシダーウッドといった感じで、ウード(沈香)の良さがまったくない。強いて言えば歯医者さんの待合室の匂い。あとチョコレートも香るけれど、食べる気はしない。=TS

もうね、ほんとくそみそに書かれていて、でもこちらに関しては同意見なので、納得してしまう。


NOTES

Bulgarian Rose, Turkish Rose, Vanilla ,Agarwood(Oud), Benzoin, Violet

ローズは2種類も使われていて、バニラの甘さとともに調和がとれているのかもしれないけど、いかんせんウードは薄め。

My Evalution

★★★

通常の「ウード」に比べればはるかに良いので、この評価だけど、それでも他のウード系に比べるとちょっと劣るので、微妙なところ。