第93夜 Oud Silk Mood

薔薇の石鹸の香り?

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DATA

Name: Oud Silk Mood (ウード・シルク・ムード)
Brand: Maison Francis Kurkdjian
Launched in 2018
Perfumer: Francis Kurkdjian

My Episode

クルジャンの通常の「ウード」は苦手、という話を昨日したのだが、実はぼくの周りでもクルジャンの「ウード」は賛否両論で、どちらかというと苦手という人の方が多い印象だ。
この香りが大好き!という人にはいまだにお目にかかっていない。
それほどクルジャンの「ウード」は特殊なのではないだろうか。
もちろん、きっと好きな人は大好きだろうから、そういう意味では好き嫌いがはっきりとわかれる香りだと思って良い。
さて、昨日に引き続きクルジャンのウードの別バージョンをご紹介する。
実は、こちらも去年日本で発売された限定コフレの入っていたのだが、男性用と女性用のコフレに入っており、どちらかに昨日ご紹介した「ウード・サテン・ムード」が入っていて、もう片方にこの「ウード・シルク・ムード」が入っていた。
しかし、ぼくが気に入ったのがそのどちらなのかがわからず、ネットで調べて、それほど高いものでもなかったので、思わず両方揃えてしまったんである。
そして、気に入ったのが「ウード・サテン・ムード」で、それほどピンとこなかったのが今日ご紹介する「ウード・シルク・ムード」だった。
どこがどう苦手なのかというと、石鹸ぽい香りがするから。
薔薇の香りなんだけど、ちょっと安っぽい石鹸に使われる薔薇という感じがしてならない。
しかし、意外にも「世界香水ガイド3」(ルカ・トゥリン タニア・サンチェス著 芳山むつみ訳 原書房刊)での評価は高め。


これもクルジャンの「ウード」シリーズ。ホメオパシーの治療薬のような代物に比べれば、そこそこの出来。モダンでウッディなシプレのベースにレモンリキュールのようなゼラニウム ローズを加えていて、華やかなローズと深みのあるウッディのアコードがいい。ただオード パルファムは軽めで、よりレモンが際立つ。=TS

ぼくが苦手と感じるのは、「シプレ」」の香りのせいなのかもしれない。実はシプレと呼ばれる調香がどうしても鼻が受け入れてくれないのだ。母がゲランの「ミツコ」を愛用していたせいもあり、シプレ系の香り=おふくろさん by森進一 になってしまうんである。

「ウード・シルク・ムード」は肌に載せたとたん、薔薇の香りがするのだが、その薔薇は濃厚なものではなく、柑橘系の香りと相まって、なんとも中途半端でスカスカした感じがしてしまって、これをウード系と呼んで良いの?と思ってしまった。

クルジャン、中東の人に受けるためだけにウードをほんの少しだけ入れたんじゃないの?と疑ってしまうほど。

ともあれ、この「ウード・シルク・ムード」は残念ながらお蔵入りになってしまいそうな予感しかない。


NOTES

Top notes: Bulgarian Rose, Chamomile, Bergamot
Middle notes: Hedione, Guaiac Wood
Base notes: Agarwood (Oud), Papyrus

こちらにもブルガリアンローズが使われているのだが、ベルガモットと合わせることによって、石鹸に似た香りになるのだろうか?

My Evalution

★★

ところで、「世界香水ガイドⅢ」にはもう一つのウード系香水が紹介されていて、それによれば「コーラと歯科矯正されたウード」となっている。果たして「ウード・ベルベット・ムード」なる香水を手に入れるべきか悩ましい。