第102夜 Prolixe

癖があるけど、癖になる存在感

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DATA

Name: Prolixe(プロリクス)
Brand: Histoires de Parfums
Launched in 2017
Perfumer: unknown
15ml ¥6,600

My Episode

この香りのことは、SNSを通じて知った。
ぼくがウード好きだということを知ったフォロワーさんが、こういう香りもありますよ、と教えてくれたのだ。
しかし、その時日本でこの香りを取り扱っているお店は京都にある香水専門店のみで、なかなか実際に試すことはできないなと思っていた。
ところが、ちょうどその数日後、NOSE SHOP渋谷店でイストワール・ドゥ・パルファンのイベントがあり、この香りも店頭で試せるというので、わくわくしながらイベント初日に遊びに行った。
ほとんど、この香りを目指してイベントに行ったと言っても過言ではないほどこの香りが気になって仕方がなかった。
だが、ぼくのこの香りに対する第一印象は非常に良くない。
一言で言うと「臭い」だった。
え?なんなの?この変なクリーミーな香り?
まるっとした、もわっとした、変な香り。
あり得ない…と思ったほどぼくの鼻はこの香りを拒絶してしまったのだ。
だが、ウードを巡る旅をしているぼくはそういう香りであったとしてもやはり購入しなくてはいけないという義務感のようなものがあった。
これが、例えばクルジャンのようにべらぼうにお高い値段だったらあっさり諦めるが、イストワール・ドゥ・パルファンの15mlは6,600円という安さなので、とりあえず買っておくか、という感覚で他の香水とともに購入したんである。
そして、一週間後…。ぼくはなぜかこの香りの120mlを買いなおしていた。
なぜか…。
はまってしまったのだ。
この香り、第一印象は良くないのだが、肌に載せてしばらくしたら、ものすごくぼくの好きな香りに変化したのだ。なんでこんなに美しい香りになるの?という驚きがあり、これはちゃんと120mlで持っておいた方が良いと判断し、買いなおしてしまったのである。
そして、それは大正解。
夏の暑い時期であっても、肌の上でしっかりと香りがウッディに変化し、圧倒的な存在感を演出してくれるのだ。
もちろん、非常に癖の強い香りだ。
ウードらしいといえばウードらしいけど。
それが絶対に無理という人には到底受け入れることはできないだろう。
だが、だからこそ、ぼくはこの香りに惹かれてしまう。
非常にわかりにくい香りでもある。
このもわっとした香りは一体どこから来るんだろう?
香料を見てみると、どうやらオリバナムが怪しい。
オリバナムとは、フランキンセンスとも呼ばれ、乳香のことだ。ゴム樹脂で、中東ではガムのように噛まれることもあるのだとか。
この乳香の丸みがぼくの肌の上でまろやかな味を出しているのかもしれない。
でも、やっぱり駄目な人は駄目なんだろうなぁ。
好きな人は大好きになっちゃうだろうけど。
好き嫌いがはっきりと分かれる香り。
だからこそ、ぼくはそういう香りをどんどん使いたいと思っているのだけど。


NOTES

|| Filled with a wealth of details. - Ginger, Cardamom -
|| Revealing distraction and wandering. - Olibanum, Rose -
|| Excessive, exuberant. - Patchouli, Tobacco, Oud -

上記の記載はイストワール・ドゥ・パルファンの本国の公式サイトのもの。FRAGRANTICAとは内容が少し異なるが、公式サイトだから、恐らくこれが一番正確なのだろう。
FRAGRANTICAにはローズの記載がなかったが、確かに薔薇はぼくの肌の上では感じられない。
さらにFRAGRANTICAにはトップの香りとしてカシス、パイナップル、グレープフルーツが載っていて、ぼくにはそれらがまったく感じられないので、これは果たしてどこからの情報なのだろう?と素朴な疑問。

My Evalution

★★★★★

フルボトルを買いなおすほど気に入ったわけだから、最高の評価をつけたい。だが、何度も言うけど、ダメな人は絶対にダメなので、その点は覚悟して試して欲しい。